* 願われた逢瀬 *
「で、話って何?」
「お前たちから見て、俺たちとの様子をどう思う?」
「それって今の?」
「いや・・・」
「さんが記憶を失う前ってこと?」
「ああ。」
「「「「「「「氷帝と言う鳥籠の中の天使。」」」」」」」
「なんっすか、それ?」
「天使の片翼のひとり、に対するもうひとつの呼び名だ。」
「鳥籠の中の天使・・・」
「まぁ私たちはを守ってたからね、他の学校の人間から。」
「姫さん可愛いからすぐ男どもが近づいてくるもんなー。」
「そういう時の対応苦手だCー。」
「だからなるべく近づかせないようにしてたんだよなー。」
「それでついた呼び名がそれだな。」
氷帝のレギュラーに守られている天使。
俺が見たときもさんは氷帝のレギュラーの中心にいた。
氷帝のレギュラーはまるでその存在を見せないように憚る防壁だった。
「つまり、あんた達がさんに何かしたわけじゃないって言いたいってこと?」
「ああ。」
「じゃあ何でさんが悲鳴あげたんっすか?」
「それがわかんないのよ。」
「俺たちが名前を呼んでも無反応だったしなー。」
「も何も言わないでそのまま少ししたらの様子が変わって・・・何か震えてて・・・。」
「それでああなった。」
「・・・・・・やっぱり逢わせるんじゃなかった・・・。」
「「「「「「「・・・・・・。」」」」」」」
「さんのお願いでも、訊かなきゃよかった・・・。」
「切原くん、あなたのせいではありません。」
「でも・・・!」
「お前のせいじゃなかよ。そんなこと言えばが悲しむじゃろ?」
「・・・・・・。」
「氷帝!お前らもうに逢うなよ!!」
「「「「「「「・・・・・・。」」」」」」」
「俺はもうさんをあんな風にしたくないっす!」
「同感だな。」
「ええ、そうですね。」
「そうじゃな。」
「勝手に話し進めてるんじゃねぇーよ。」
「そうよ!私はに逢うからね!」
「・・・あんた達あんなさんまた見たいわけ?」
「違う!そうじゃなくって!!」
「あんた達を見てさんはあんなに震えたんだ。またそんな思いをさせるわけ?」
「・・・・・・。」
「あんた達が何かしたとかそんなのが問題じゃない、でもあんた達を見てさんが震えてたのは確かなんだよ。」
「「「「「「「・・・・・・。」」」」」」」
「・・・私はに思い出して欲しい・・・!」
「・・・・・・。」
「だから逢いたい。」
「俺は思い出さなくてもいい。」
「切原!?」
「別に今のさんがいればそれでいい。」
「それでがいいと思ってんの?!」
「じゃあ、思い出すことがさんにとって幸せだって言い切れるわけ?」
「・・・・・・。」
「言い切れないでしょ。」
ドウシテモ、アナタヲマモリタイカラ・・・
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