* 不思議な少女 *










「クニクニー!」



すごい奴がいた。

あの手塚に抱きついてる・・・・・・。

普通にありえない!!



「ねぇねぇ!私は何組?」


「知るか、自分で見て来い。」


「えぇー・・・面倒。」


「・・・・・・。」



すげー普通に会話してる、あの手塚と。

しかも手塚に抱きついた状態のまま!



「本当に転入生だったんだ・・・。」



隣にいる不二がそう呟いた。

転入生?!

確かに見たことないかもしれない、手塚に抱きついてる奴なんて。



「手塚!」


「不二に菊丸か・・・。」


「あー天才だ天才だ!」


「約束したよね、名前教えてくれる?」


。」


ちゃんだね。」


「この前ゆーちゃんに訊いたけど忘れたの、名前教えて?」


「不二周助だよ。」


「うーん・・・じゃあ周ちゃんだね。」



しかも不二とも普通に話してる!

珍しい奴!



「で、君は?」


「俺?!」


「うん、ちなみに言わない場合は勝手に名づけるから・・・」


「菊丸英二!」


「菊丸英二、英二・・・菊丸・・・菊ちゃん、うん、菊ちゃんね。」


、早くクラス見て来い。」


「むぅー面倒なんだもん。」


「お前ってスゴイな!!」


「・・・・・・菊ちゃん、初めに言っておいてあげるわ。私はお前とか呼ばれても振り向かないから。」


「わかったにゃ!」



にっこり。

ふんわりとした笑顔で笑うちゃん。

一言で言えばすごく可愛い。



「さっ話も纏まったことだし、クニクニ出陣ー!」


「その呼び方はやめろ。」


「えぇークニクニ可愛いのに。」


「俺に可愛さを求めるな。」


「じゃあ国ちゃんでいいや。」



すげーちゃんってとにかくすごい。

普通の女じゃない。



「改めて、国ちゃん出陣ー!」


「ひとりで行って来い。」


「だってあの人だかりだよ!私は埋もれるわ、確実に!」


「・・・・・・。」


「僕が一緒に行ってあげるよ。」


「本当?!」


「うん、ちゃんが埋もれちゃったから困るからね。」


「ありがとう!周ちゃんは優しいね!

あっ国ちゃん!ちゃんと国ちゃんが優しいこともわかってるよ?安心してね!」



珍しいー。

手塚が笑ってる。

本当に微妙だけど、笑ってる。

きっと・・・ちゃんのせいなんだ。

うん、やっぱりちゃんってすごいにゃー。


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