* 大切な存在 *










「千石。」


「何かな?」


「アイツ等は・・・立海の奴らは俺たちがに何をしたか知ってんのかよ。」


「それは俺も知らないんだ。」


「・・・・・・。」


「わかった、調べてあげるよ。」



携帯を取り出し電話をかける。

誰にかけるか・・・・・・正確にはどちらの人にかけるか。



「あっもしもし、真田くん?」



真田くんにした。

切原くんよりも真田くんの方が大人だ。



「千石、か?」


「そうそう!」


「何か用か?」


「うん、今大丈夫?」


「あぁ、大丈夫だ。」


ちゃんってわかるよね?」


「・・・あぁ。」


「君は何処まで知ってるの?」


「・・・・・・。」


「・・・・・・。」



沈黙が続く。

彼はきっと全部知っている、ちゃんから訊いて。

ちゃんは彼らを自分から遠ざけようとするためにあの話をしたんだ。



「俺は・・・本人の想いを訊いただけだ。」



彼らしい答え。

遠まわしな表現だけど俺にはわかった。

俺の予想通り、彼らは知っている、何があったのかを。



「そっか、ありがとう。これからもちゃんを大切にしてあげてよね。」


「あぁ、俺たちが必ず護る。」


「うん。」


「用件はそれだけか?」


「うん、ありがとうね。」



電話は切れた。

答えも見つかった。



「立海はちゃんのことをちゃんとわかってるよ。」


「そうか・・・・・・。」


「やっぱりちゃんにとっては立海の方が幸せなのかなー?」


「クソクソ!」


「それはわからないけど・・・ちゃんは自分から立海の人たちを遠ざけるために話をしたんじゃないかな?」



本当に、いい子だよねちゃんは。

ここにいる氷帝の人達の苦しみを受け止めて、壊れてしまった。

自分の悲しみがわからずに壊れてしまった。

そして・・・自分に対する気持ちで壊れてしまった。



「君たちは今は考えすぎないで、ちゃんと道を見つけて。」



それがちゃんの笑顔に繋がるんだよ、きっとね。





















「千石さんと何話してたんっすか?」


のことだ。」


「何って言ってたんだよ?!」


のことを何処まで知っているのか訊かれた。」


「千石くんは知っていらっしゃるのですか?」


「あぁ、おそらく。」


「千石さんは先輩のこと傷つけませんよね?!」


「それはわからない。」




 







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