* 幸せを運ぶ天使と幸せを求める帝王様 *










「あなたに私の幸せをあげましょう。」


「あーん?」


「跡部景吾!私があなたを幸せにしてあげるわ!」


「面白れーじゃねぇの、やってみやがれ。」


「その言葉、後悔するなよ?」


「・・・こっちのセリフだ。」




















「はい、跡部!」


「何だ?」


「四つ葉のクローバー・・・ねっ?幸せでしょ?」


「・・・別に。」


「むぅ!じゃあまた明日別のもの考えるわ!」


「おい、待てよ。」


「ん?」


「これ、置いていく気か?」


「うん、だってそれは跡部にあげたものだもん。」


「まぁ、サンキュ。」


「どーいたしまして!」



俺を幸せにするとか言い出した変なヤツ。

同じクラスの

毎日、毎日色んなものを持ってきやがる。

最初はウザイと思っていた。

でも今は・・・こいつが話しかけてくるのを楽しみにしている自分がいる。



「・・・末期症状だな・・・。」


「何独り言いっとるん、跡部?」


「忍足・・・」


「今日は四つ葉のクローバーかいな、よぉやるわちゃんも。」


「・・・。」



こいつがアイツのことを名前で呼んでいることにイラついた。



「なんや、跡部ー機嫌悪そうやで?」


「お前のせいだ。」


「うわっヒドー。ちゃんーちょっと来たってや!」


「どーしたの、忍足?」


「跡部めっちゃ不機嫌やねん、どうにかして?」


「うーん・・・でも今日はもう何も持ってないよ・・・。」


「頼むわ、ちゃん!!」


「・・・あっそうだv」


「なんか思いついたん?」


「バッチリ☆跡部、こっち向いてー。」





チュッ





「不機嫌な跡部には甘いものを、ってね?」



不覚にもキスされ、しかも口の中に飴を入れられる。



「飴、今舐めてるのしかなくてね・・・うん、ごめん。」


「あははっめっちゃおもろいわ、自分。」


「忍足・・・。」


「あの跡部にキスするなんて・・・滅多といない女やな。」


「キスじゃないよー幸せのお裾分け☆」



「「・・・・・・。」」



「跡部ー幸せになった?」


「ああ。」


「やった!隊長!とうとう跡部景吾を幸せにできました!」


「おめでとさん・・・って隊長って俺かいな!」


「うん、良かったー跡部が幸せになったー。」


「おい、。」


「ん?(何か名前で呼ばれた気がするけど・・・気のせい?)」


「まだ足りねぇーよ。」


「えぇ?!」


「だから俺の女になれ。」



「「はぁ?」」



「お前が俺の女になれば、俺は幸せになれる。」


「あっそー言うことなら、喜んで。」


「それでいいんかいな?!」


「いーのいーの。私、跡部のこと好きだし。」





















こうして幸せじゃなかった帝王は幸せを運ぶ天使のお陰で幸せになれましたとさ。

めでたし、めでたし。


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