* 一緒に綺麗な空を眺めましょう? * 「先輩。」 「あら?どうかしましたの?」 先輩の教室に来て名前を呼んでみれば・・・ 案の定先輩の驚いた顔。 「空が綺麗です。」 「え?」 最近は生憎の雨ばかりで・・・ やっと日が差した。 そしてその空を眺めてみれば綺麗な青い空。 流れる青い空を見ていると自然に先輩の顔が浮かんだ。 「約束しましたよね?」 「・・・覚えていてくれたの?」 「はい、もちろん。」 あなたとの約束は全て覚えている。 それが些細なことであったとしても・・・・・・ 先輩との約束だから・・・ 「すごく嬉しい・・・・・・」 「外に出ませんか?」 「そうね、屋上がいいかしら・・・空が近いもの。」 「じゃあ行きましょう。」 「すごく綺麗ね、若。」 「はい・・・・・・。」 きっと前までの俺なら空を眺めて、綺麗だと想っても・・・・・・ 先輩に伝えるようなことはしなかっただろう。 でも、約束をしたから。 一緒に、空を眺めるという約束を・・・・・・ 「教えてくれてどうもありがとう。」 「約束しましたから。」 「・・・・・・約束をしなければ・・・教えてはくれないの?」 「え?」 「私は・・・若が綺麗だと想ったり、好きだと想ったりするものを一緒に見たいと思うわ。」 「・・・・・・。」 「だからね、教えてほしいの。若が好きなものをたくさん。」 「・・・先輩も教えてくれますか?」 「え?」 「あなたの好きなもの・・・俺もたくさん知りたいと思います。」 「喜んで、教えあいっこしましょうか?」 「・・・はい。」 誰かのことをこんなにも知りたいと思ったことはなかった。 その気持ちを教えてくれたのも・・・あなたです。 「・・・若、飛行機雲です。」 「本当ですね・・・」 「このまま眺めていたらきっと・・・部活に遅れてしまいますよ。」 「あっ・・・」 「ふふ、跡部くんに怒られてしまいますよ。」 「・・・・・・行って来ます。」 「行っていらっしゃい、頑張ってね。」 「はい・・・あの、先輩はこれからどうするつもりですか?」 「そうね・・・ここから、若の勇姿を眺めていることにするわ。」 ***************************************************************** あけび様へのキリリク創作です。 この間リク頂いた若夢の・・・続編なのかなぁ・・・? すみません、微妙なところで・・・ とりあえず、管理人的には続編となっております! いや・・・なんと言うか・・・久し振りにほのぼのとしたお話を書いたような気がします・・・ リクエストどうもありがとうございました! |