* 愛で満たしてください *










「若ちゃーん。」


「・・・先輩。」


「何かしら?」


「その呼び方、やめて下さい。」


「・・・だって可愛いでしょ?若ちゃん。」


「可愛くなくていいです。」


「むぅ・・・私は可愛い若ちゃんがいい。」


「・・・・・・。」


「ねっ若ちゃん?」


「先輩。」


「ん?」


「わざとやってますね。」


「あっばれた?」


「・・・・・・。」


「だって私、若に愛されてるもん。」


「な、何言ってるんですか!!」


「ねぇ、愛してる?」


「知りません。」


「若ちゃーん?」


「・・・///」



お願いですから。

そんなに顔を近づけないでください。



「愛してる?」


「・・・愛していません。」



不器用な俺は、つい、思ってもいないことを言ってしまう。



「いいもーん。」


「え?」


「若ちゃんが愛してくれないなら・・・」


「・・・・・・。」



先輩はもてる。

あの、跡部部長でさえも狙っている。



「私が若ちゃんを愛で満たします。」


「はぁ?」


「だって私のこと愛してくれないんでしょ?それなら私が愛するしかないじゃない。

それでね、若ちゃんが愛で満たされたら・・・若ちゃんの中から溢れ出した愛を私にも分けてくれるかなぁなんて。」


「・・・・・・。」



あなたという人は、本当に・・・

不器用な俺に、言葉をくれる。

優しい言葉を。



「愛しています。」


「え?」


先輩が俺を愛で満たしてくれるなら・・・俺が先輩を愛で満たします。///」


「本当に?」


「・・・・・・はい。」


「ありがと、嬉しいvやっぱり、私は若ちゃんに愛されてるね。」



嬉しそうに笑う先輩。

俺の愛は先輩のもの。

先輩の愛は俺のもの。



「でも、その呼び方はやめて下さい。」


「じゃあ若ちゃんもその呼び方やめて下さい。」


「え?」


「あのね、私が若ちゃんって呼ぶのはね可愛いからじゃない。

若ちゃんのほうが近い感じがするでしょ?若って呼ぶより。」


「・・・・・・若でいいです。」


「・・・じゃあ私のことはって呼ぶ?」


「はい。」


「じゃあ呼んでみて?」


「・・・・・・・・・///」


「な、なんか恥ずかしいかも・・・///」


「俺だって、恥ずかしいです。」


「でも、嬉しい。これからも呼んでね。」


「はい。」


「ねっ若?」


「はい、。」


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