* チューリップの花言葉知っていますか? * 好き。 好き。 好き。 簡単な言葉なのに言えない。 「先輩。」 「ん?」 「俺、今日部活休むっす。」 「え?」 「真田副部長によろしく!」 「ちょ、ちょっと待ってよ赤也!」 先輩が俺の名前を叫んでるけど気にしない。 俺は俺の目的のために走る。 目的の場所は花屋。 「いらっしゃいませー。」 花だらけの店内(当たり前)。 その中から花を見つける。 「・・・これ、頂戴。」 「はい、ブーケにします?」 「はい。」 「少々お待ち下さい。」 見つけた。 渡す花。 「お待たせしました。」 「どーも。」 店員が綺麗にブーケにしてくれた花を持って俺は走り出した。 目的地はひとつ。 先輩のいるところ。 「先輩!」 「あれ・・・?赤也?今日はお休みするんじゃ・・・。」 「先輩に用があるっす!」 「うーん・・・もうちょっと待って、もうすぐ休憩だから。」 「うぃーっす。」 好き。 言えない。 本当に大好きだから。 言えない。 「はい、お待たせ。」 「先輩。」 「ん?」 「俺・・・俺・・・っ」 好き。 先輩が好き。 でも、どうしても言えない。 「・・・先輩のことが・・・っ」 好きです。 心の中でなら簡単に言えるのに・・・。 先輩の顔を見ると途端に言えなくなる。 「・・・これ、もらってください。」 手渡す。 チューリップのブーケを。 「ありがとう・・・綺麗ね、チューリップ。」 「・・・花言葉知ってる?」 「うん、えっと・・・愛の告白?・・・ってえぇ?!」 「何だ知ってるんじゃん。それ、俺の気持ちっす。」 「ちょ、ちょっと待って赤也?」 「もらって、俺の気持ち。」 「・・・ありがとう。」 「で、先輩の返事は?」 「・・・赤也は私のこと好きなの?」 「そーっすよ。」 「・・・私も好きです。///」 顔を真っ赤にして俯いてる先輩を抱きしめる。 可愛すぎっすよ。 たまには花に頼ってみるのも悪くない。 俺と先輩を結び付けてくれたチューリップには感謝。 |