* 寒い日には手をつなごうね * 「せんぱーい!」 外から聞こえる私を呼ぶ声。 声にも聞き覚えがある。 「・・・・・・赤也?」 「先輩、やっと出てきたー!」 「ちょ、ちょっと何してるのよ!」 「逢いに来たんすよ、先輩に。」 「・・・・・・そこで待ってて!」 私に? 逢いに来た? それってすごく・・・嬉しいかもしれない。 「赤也!」 「せんぱぁーいv」 「もう!こんなに冷たくなっちゃって・・・寒いでしょ?」 「結構さむいっすねー。」 「馬鹿。」 「うわっヒド!」 「どうしてこんなところにいるのよ!」 「だから、先輩に逢いに来たんですってばー!」 「こんな寒い中?」 「そうっすよ!」 「馬鹿バカばかワカメのバカー!風邪引いたらどうするのよ!」 「その時は先輩に治してもらいますv」 「風邪なんて治せるはずないじゃない!」 「先輩に看病してもらったら1日で治るって、絶対。」 「・・・・・・。」 「本当は電話しようかなーって思ったんですけどね。 でも、やっぱり先輩の顔が見たいなぁーって思いまして。」 「本当に馬鹿よ・・・。」 「馬鹿って言う割にはかなり嬉しそうじゃん。」 「・・・・・・嬉しいもん、赤也がそんな風に言ってくれて。」 「じゃあもっと素直に喜んでよ。」 「嬉しい、嬉しい、嬉しい・・・でも・・・私のせいで赤也が風邪引いちゃうのは嫌。」 「やぁーっぱ先輩って可愛いっすよねーv」 「はぁ?!//////」 「ほら、赤くなっちゃって。すごく可愛い。」 「からかうな!!」 「だって先輩可愛すぎだし。」 「・・・・・・馬鹿ワカメ。///」 そんな顔して言われても、嫌味に聞こえませんよ? 可愛すぎるんっすよねー先輩は。 「ねぇー先輩v」 「な、何?」 「手、繋いで?」 「えぇ?!」 「先輩待ってて手、冷たくなった。先輩の責任だし、暖めてよ。」 「・・・・・・。」 「先輩、風邪ひいちゃいそうなんだけどなー・・・。」 「馬鹿バカバカ馬鹿ワカメ!!」 そう言いながらも手を繋いでくれる先輩が好き。 「冷たい・・・。」 「だって先輩待ってたし。」 「冷たすぎるよ、どうしよう・・・。」 「大丈夫ですって。先輩が握っててくれればすぐ暖かくなるっすよ。」 「だといいけど・・・・・・。」 「好きっすよ、先輩v」 |