* 詐欺師に騙されたい! *










最近よく聞く言葉がある。

「仁王に騙された。」という言葉。

これは一体どういうことなんだろう?

あっ手品とか?

最近流行ってるみたいだし。

そっかぁー仁王くんってマジシャンさんなんだー。

というわけで、仁王くんにところに行ってみようかと思います。





















「仁王くん!私を騙して!」


「はぁ?」



いきなり何を言い出すんじゃ、この女。

確か隣にクラスのじゃったか?

柳がなんか言っとった気はするが・・・なんじゃったかのぉ・・・。



「あのね、仁王くんに騙されたって言ってる人がいっぱいいるの。

手品でしょ?私も1回騙されてみたいの!」


「・・・・・・。」



なんか勘違いしとる、この女。



「仁王くん・・・ダメ?」


「少し待ってくれんかのぉ・・・?」


「あっ準備とかあるの?」


「そんなところじゃ。」


「わかった!いつなら大丈夫?」


「・・・明後日・・・。」


「じゃあ明後日っ!よろしくね、仁王くん!」



の笑顔に負けた。

この、詐欺師と呼ばれる俺が・・・・・・。





















「あれー?仁王先輩!何やってるんっすかー?」


「手品の確立120%。」


「手品?!仁王先輩ってマジシャンでも目指してるんっすか?」


「・・・・・・惚れた女に騙せと言われたんじゃ。」



俺はアイツに惚れた。

俺に初めて騙せと言ったあの女に。

言われてからアイツを目で追うようになった、そしていつの間にか惚れとった。



「ある意味すごいっすねーその女の人。」


「仁王が惚れた女か、訊く価値はありそうだな。」


「誰なんっすかー?」


「柳はともかく赤也は知らんじゃろ。」


「でも気になりますって!教えて下さいよ!」


「・・・・・・じゃ。」



「「・・・・・・。」」



ってあの先輩っすか?」


「校内ではひとりしかいない。」


「あのって有名なんか?」


「有名っすよー仁王先輩知らないんっすかー?」


「・・・・・・。」


は立海1の純粋少女と言われている。」


「仁王先輩とは全く逆ですよねー。」


「・・・・・・。」


「かわいいっすよね、先輩v」


「赤也・・・(睨)」


「・・・!(怖)」


「地雷を踏んだな、赤也。」


「そんなぁ〜(泣)」


「それで仁王、手品はできたのか?」


「俺は詐欺師じゃからな。」


「やってみて下さいよー!」


「まだ秘密じゃ。」


「えぇー!」





















「仁王くん!」


「よぉ、。」


「手品!手品!」


「おぉ、待っちょれ。」


「うん!すっごく楽しみなの!」


「・・・・・・。」


「ハトでる?」


「は、ハト?!」


「うん、ハトが出てくるのが見たい!」


「・・・・・・もうちょっと待ってくれんかのぉ?」


「う、うん?」


「ハトが出てくるやつじゃな。」


「うん!」





















「柳先輩!仁王先輩がハト出してますよ!」


「・・・に言われた確立120%。」


「・・・愛っすね。」


「あの仁王がな・・・。」


先輩には届いてませんよねー。」


「おそらく。」


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