* 合同合宿 *










姉!」


「なぁにー?」



相変わらずあどけない笑顔。

弟の俺でも可愛いと思う。



「明日から合宿なんだけど・・・」


「あら?偶然ね。」


「え?」


「私も合宿なのv」


「はぁ?」


「太郎ちゃんが突然合宿するって言ったから。」


「・・・ちなみにどこで?」


「えっと確か・・・」



「「○○合宿場。」」



「何だぁー知ってるんじゃない、リョーマ。」


「俺も明日からそこで合宿。」


「一緒?」


「うん。」



姉さんの顔が綻ぶ。



「じゃあ・・・リョーマの先輩たちに逢えるね。」


「え?!」


「だって一度も逢わせてくれないんだもん。逢ってみたかったのよ。」



しまった・・・!!

あの先輩たちに逢わせないように色々してきたのに・・・

姉さんを見たら間違いなく先輩たちは惚れる!



「ダメ!」


「ダメなの?」


「絶対にダメ!」



先輩たちに姉さんを逢わせるわけにはいかない!



「でも・・・明日から合宿だよ?」


「やっぱり行くのやめよ!」


「それこそダメだと思うけど・・・。

リョーマはレギュラーさんでしょ?そのレギュラーさんが行かないなんてダメ。」


「・・・。」


「一緒に行こうね。」


「・・・わかった。」


「うん、いい子ねリョーマv」



座った状態のままぎゅって抱きしめてくれる。

この瞬間が結構好き。

わかった。

俺が姉さんを守ればいいんだ。

先輩たちから。

絶対に守る。



「明日の用意はちゃんとした?」


「まだ。」


「じゃあしなくちゃ。」


姉はできてるの?」


「まさかぁーできてるはずないでしょ。」


「やっぱり。」


「それじゃあ今からは用意しなくちゃね。」


「もうちょっと一緒にいる。」


「もう、リョーマの甘えん坊さんv」



そう言ってもう一度抱きしめてくれる。

そんな姉が好き。



「あっそうだ。私のお世話になってるみんなも紹介するね。」


「誰?」


「氷帝のみんなv」



姉さんと学校は別々。

俺も氷帝に行きたかったのにあの親父が・・・。

青学も嫌じゃないけど、姉と一緒がよかった。



「別にいらない。」


「あっそっか、逢ったことあるもんね。」


「え?」



そういえば姉さんってどこの部活のマネだっけ・・・?

マネージャーしてるって話しか訊いてなかったような・・・。



「紹介したい氷帝の奴らって誰?」


「氷帝男子テニス部のみんなv」



姉ってもしかして・・・氷帝テニス部のマネ?



姉ってテニス部のマネだったんだ・・・。」


「うん。」



って氷帝テニス部って跡部さんたちじゃん!!

最悪。


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