* 練習試合 *










「なぁ日吉・・・あれホンマに“白薔薇の君”なん?」


「えぇ、確かに姉ですよ。」


「なんかあの写真のイメージというか、さっきと全然違うじゃん。」


「結構目立ちたがり屋なんですよ。

ちなみにあれは別名”紅薔薇の君”だそうですよ、姉曰く。」


「猫被ってたん?」


「いえ、両方とも姉の性格です。」


「意味わかんないー。」


「おっとりした性格の”白薔薇の君”。

跡部さんのような性格の”紅薔薇の君”どちらもウチの姉です。」





















「何様のつもりだ、あーん?」


様v」


「・・・・・・。」



さっきのとまるでイメージが違う。



「あなたたちが”白薔薇の君”として私のことを知っているというから”白薔薇の君”でいたの。

でも、あの応援団はムカついたの、だからね・・・・・・ちなみにこっちは”紅薔薇の君”といわれてるの。」



白薔薇と紅薔薇。



「猫被ってるわけじゃないわよ、両方とも私の性格。

立海の人間は皆知ってるわ。だから”白薔薇の君”と”紅薔薇の君”だもの。」


「・・・・・・。」


「さっ試合しましょ?」


「あぁ。」


「サーブはあげる。嫌いなの。」



目の前の赤薔薇の君と呼ばれる女。

俺様に酔わせてやる。





















「すげーあの跡部と普通に打ち合ってる!」


「普通にちゃうで、ちゃんのほうが優勢や。」



蝶を想わせる動き。

隙が無い。



「ほんとだー跡部が破滅へのロンドとかやってないCー。」


「女だからじゃないのか?」


「違うと思いますよ、姉は結構強いので。」


「ちなみに日吉はお姉さんと試合とかするの?」


「あぁ。」


「結果はどうなん?」


「・・・俺は姉に勝ったことがありません。」





















「ゲームセット、ウォンバイ跡部6ー4。」




















「あらあらー負けちゃった。」


「お前なかなかやるな。」


「お褒めに与り光栄ですわ。」



今俺の前にいるのは多分白薔薇の君。



「日吉、気に入ったぜ。」





















「おい、訊こうと思ってたんだが・・・最初俺に投げてきたあのダーツは何だ?」


「あれは演出ですわ。」


「演出?」


「提供者は雅治、なかなか楽しかったでしょう?」


「・・・・・・。」


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