* 強さを求める為に * 何かむかつく。 俺のものになってよ。 「もしもし!」 「わわっ・・・っ」 「さん!!」 「な、なぁに?赤也?」 「俺も行きたい。」 「ふぇ?どこへ?」 「合宿。」 「・・・比呂と雅治に訊いたのね。」 「そうっす。」 「でも、ダメ。」 「・・・どうしてっすか?」 「今回はダメなの。」 「何で氷帝なんすか?立海にすればいいのに・・・」 「立海も考えたんだけどね・・・氷帝がいいかなぁって思って。」 「・・・。」 「立海とは決勝であたる予定だもん。」 「・・・。」 「赤也。」 「ずるいっす・・・。」 そんな優しい声で言われたら・・・ 何も言えなくなるじゃん。 「そんなに青学と合宿したかった?」 「青学よりも・・・さんと一緒がいい。」 氷帝も、青学もむかつく。 近くにいる、この人の。 「うーん・・・今度遊びに行こう?」 「え?」 「この前オープンした水族館行きたいの、ダメ?」 「いいっすよ!!」 やっぱりこの人は優しい。 俺のほしい言葉をくれる。 「でも、先輩たちには内緒っすよ?」 絶対についてくる先輩たち。 でも、譲れない。 「うん、わかった。」 「ちゃんと調べておきますから!」 「ありがとう、赤也v」 「じゃあおやすみっす。」 「おやすみなさい。」 「あっ気をつけてくださいよ?」 「え?何を?」 「・・・とにかく!絶対に気をつけてください。」 「う、うん・・・よくわからないけど、わかった。」 「じゃあ今度こそ本当におやすみなさい!」 「おやすみ。」 まだ頭に残ってる。 あの人の声。 心地よい声色。 「・・・いつか俺のものになってよ・・・。」 あの人の前では言えないけど。 切実な願い。 いつかあの笑顔を・・・ あの声を・・・ 自分だけのものにしたい。 「青学も氷帝も絶対に潰してやる。」 もしもさんを傷つけたら・・・ 絶対にぶっ潰してやる。 氷帝も、青学も・・・立海も。 「幸せになってほしいっす・・・」 あの笑顔が二度と曇ることがないように。 ずっとあの笑顔を見れるように・・・ そのためなら何でもするから・・・ |