* 強さを求める為に *










あの日から、支えになりたいと思った。

君は大切な人だから。

















『いや!触らないで!!』



彼女の拒絶の声。



『これ以上わたしに・・・触らないでよ・・・・っ』



そんな彼女を・・・

抱きしめたのは手塚。



『いや、離して!離してよぉ・・・』



僕と英二は動けなかった。



『離して・・・国光!』


『・・・泣けばいい。』


『・・・。』


『ここなら大丈夫だ。』


『・・・うぅ・・・』



堪えていた涙を流すの姿が見えた。

溢れる涙。



『大丈夫だ。』



優しい声での頭を撫で続ける手塚。

見ていて無償に腹が立った。

手塚にじゃない、自分に。



『大丈夫だ。』



を抱きしめることも出来なかった自分に腹が立つ。

動けなかった自分に・・・



『国光、ありがとう・・・』


『気にするな。』


『周助も英二もごめんね・・・こんな姿見せて。』


『・・・気にすることはないよ。』


『そうだにゃ!』


『探してくれてありがとう・・・』



頬を涙で濡らしながら微笑む君は・・・

綺麗だと思うと同時に・・・守りたいと思った。



『ねぇ、約束して。』



手塚に抱きしめられたままの君に言った言葉。

僕に言えるのはこれだけ。



『ひとりで抱え込まないで。』


『周助・・・?』


『僕たちじゃ頼りにならないかな?』


『そんなこと・・・ない・・・っ』


『約束してくれる?』


『・・・うん。』



初めて思った。

守りたい、と。

強く儚い君を守りたい。





















「・・・夢か。」



さんが亡くなってすぐの出来事。

久し振りに夢で見た。

今でも変わっていないポジション。

それでも・・・守りたいと思う、これからも。



「電話でもしてみようかな。」



すぐに逢えるけど、声が訊きたい。

守りたいと思える君の。


















「おはよう、。」


「うにゃぁ・・・しゅーすけ?」


「もしかしてまだ寝ていたかな?」


「・・・うん、ごめんね。」


「僕もごめん。」


「急にどうしたの?」


「声が訊きたくなったんだ。」


「私の?」


「うん、の。」


「そっかぁ・・・あっおはよう、周助。

合宿の準備できた?やっぱりお菓子とかってないと困るかなぁ?

英二とか桃城くん用に、あとリョーマ用にファンタとか・・・」


の好きなものだけでいいと思うよ。」


「そうかな?」


が好きなお菓子なら僕も食べてみたいな。」


「新発売でちょっと気になったのがあって買っちゃったの・・・一緒に食べて?

ひとりで食べるのってちょっと勇気がいるんだもん。」


「いいよ。」


「ありがとう、じゃあまた後でねv」


「うん、朝からごめんね。」


「ううん、周助の声聴けて嬉しかったから。」



きっと今君は笑顔。

曇らせない、絶対に。

君の笑顔を・・・


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