* 強さを求める為に * 大丈夫。 この人は優しいから。 「はぁーいみんな揃ったー?」 「越前が来てないにゃ!」 「・・・リョーマ・・・遅刻しちゃダメって言ったのに!」 「携帯は?」 「繋がらないよ。」 「もうっこうなったら迎えに行く、バスで!」 「ちょ、ちょっと待てよ!」 「決めたもん、行く! みんなバスに乗ってー。」 「越前は?」 「途中で見つけて捕まえる!」 「ふふ、面白そうだね。」 「もしもし、先輩!」 「リョーマ?」 「遅れたっす。」 「うん、もうバス出ちゃったv」 「え?!」 「今どこ?」 「学校に向かってるっす。」 「あっ本当だーリョーマストップ!」 「はぁ?!」 電話、切られた。 「運転手さん、止めて!」 俺の横で止まるバス。 出てきたのは・・・ 「先輩・・・。」 めっちゃ怒ってる・・・ 可愛い顔が台無しっすよ・・・ でもそれ言ったらめっちゃ怒られそう・・・。 「リョーマ・・・。」 「・・・すいません。」 「反省してる?」 「うぃーす。」 「じゃあ乗って。」 「・・・先輩。」 「なぁに?」 「怒ってる?」 「まさかぁー私はそんなことで怒りません。」 めっちゃ怒ってるくせに・・・。 笑顔が怖いっす、不二先輩並みに。 「今度からちゃんと気をつけるから・・・」 だから笑ってよ。 俺先輩の笑顔が好きなんだからさ。 「本当にちゃんと反省する?」 「する。」 「じゃあ合宿場についたらリョーマが食事当番ね。」 「げっ」 「いいわね?」 「うぃーす。」 「オチビー。」 「なんすか?」 「、かなり心配してたんだよ。」 「・・・。」 「今のうちにちゃんと謝っとけって!」 「食事当番は決定だけどね。」 「謝るの嫌だったらさ、ありがとうでも良いんだからさ。」 「むしろそっちのほうがは喜ぶよ。」 「うぃーす。」 「先輩、ありがと。」 「ふふ、どうしたの?」 「心配してくれて、ありがと。」 「どう致しまして。」 今日初めて、先輩の笑顔を見た。 優しい、笑顔を・・・ |