* 姫君の悪戯 *










「若ー!助けてー!!」


先輩?!・・・に跡部さん・・・。」


「おい日吉!そいつ捕まえろ!」


「ダメー捕まえないでー!!」


「部長命令だ!」


「横暴だぁー若、言うこと訊かないでー!」



さて、どうするか。

捕まえろと言う跡部さん、しかも部長命令。

捕まえないでと言う先輩。

忍足さんとかならきっと先輩を選ぶ。

俺だってそうしたいと思うけど・・・

何で運動神経のない先輩が跡部さんに捕まらないんだ?



先輩。」


「なぁに?」


「どうして捕まらないんですか?」


「あっそれはね、景吾のリストバンドとかにに悪戯して・・・錘をね、15kgにしたから。」



お気の毒ですね。

つまり60kgの負担。

それでも息も乱さずに走ってる跡部さん・・・下剋上だ!!



「もう疲れちゃったよぉー。」


「それなら止まりやがれ。」


「だって景吾怒るもん!」


「当たり前だ!」


「・・・・・・。」


「日吉、早く捕まえやがれ!」


「若、ダメだよダメだよ!」


「・・・・・・。」



仕方ない。

今回はかなり跡部さんが不憫なので部長命令を聞くことにしよう。



先輩、すみません。」


「えっ?!きゃっ」


「よくやった、日吉!」


「若が・・・若が・・・景吾の手下になっちゃったー(泣)」


「なってません。」


「だって捕まえるんだもん・・・。」


「一応、先輩が悪いと判断しましたので。」


「むぅ・・・。」


「でも、どうして15kgの錘を?」


「ちょっと遊んでみようかなぁ・・・と思って。」


「・・・。」


「おい、いつまでを抱きしめてるつもりだ、あーん?」


「下剋上ですから。」


「・・・上等だ。」


「うーん・・・若ーそろそろ離してくれると嬉しいかも。」


「・・・。」



先輩の上目遣いには弱いんですよ、知ってましたか?

身長差なのはわかっているつもりでも、どうしても慣れない。



「わかりました。」


「ありがとうー。逃げるが勝ち!」


「そうはさせるかよ!」


「きゃっ」



逃げようとしたと同時に跡部さんに手を捕まれそのまま引き寄せられる先輩。

目の前の跡部さんの顔・・・なんかムカつく。



「観念しな。」


「うぅ・・・。」


「謝れば許してやるよ。」


「本当?」


「ああ。」


「じゃあごめんなさい。」



本当に・・・跡部さんは先輩に弱い。











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あけび様へのキリリク創作です。

人魚の涙の番外編・・・・・・一応番外編です。

本当は氷帝のみんな全員出したかったのですが・・・

見事に若と景吾しか出てきてくださいませんでした。(泣)

すみません、管理人の好きなキャラが・・・やっぱりよく登場してしまうようです。

リクエストありがとう御座いました!


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