* 真っ白な世界 *
気がつけば病室にいた。
前の前に人がいる。
あなたは誰?
「あなたは誰?」
「切原赤也っす。」
「そう・・・」
頭がズキズキする。
痛い、割れそう・・・。
「アンタは?」
「私は・・・」
私は誰?
私は誰なの?
「・・・わからない。」
「わからない?!」
「ごめん、頭・・・痛い。」
「だ、大丈夫っすか?!」
「本当に、ごめん・・・えっと赤也くん。」
「はい。」
「あなたはどうしてここにいるの?」
「・・・・・・。」
名前を聞かれた。と言うことは私とあなたには何の関係もないはず。
なのにどうして、ここにいるの?
「・・・スイマセン。」
「え?」
「俺、前見てなくて・・・。」
「え?」
「その・・・ぶつかって、アンタ頭打ったみたいで・・・。」
「なぁんだ、じゃあ事故ね、あなたが気にする必要ないよ?」
「でも・・・っ!」
「急いでたんじゃない?ここにいて大丈夫?」
「・・・。」
「私は大丈夫だからね。」
「・・・スイマセン。」
「謝らないの。赤也くんは怪我とかしてない?」
「大丈夫っす。」
「それならよかった。」
「・・・。」
「さぁ、もう行って。」
「はい。」
「私が目覚めるまで傍にいてくれてありがとう。」
「どう致しまして・・・。」
「いったい私は誰・・・?」
わからない。
考えれば考えるほど頭が痛くなる。
「いったい誰なの・・・?」
「名前を覚えていますか?」
「・・・わかりません。」
「そうですか。」
「私、記憶喪失ですか?」
「診断結果ではそうなります。」
「記憶、戻りませんか?」
「戻る可能性は高いです。」
「いつ?」
「それはわかりません。明日かもしれないし、1年後・・・10年後かもしれません。」
「そうですか・・・ありがとうございます。」
「早く思い出せるといいですね。」
「・・・そうですね。」
記憶喪失。
私は誰・・・?
いったい誰なのよぉ・・・。
誰か・・・教えて。
誰でもいいから、私が誰なのか、教えて・・・。
ワタシハダレデスカ・・・・・・?
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