* 遠い存在 *
コンコン♪
「・・・はい、どうぞ?」
あの人の声が返ってくる。
優しい。
そんなイメージの声。
「こんにちは!」
「あら?あなたは昨日の・・・。」
「覚えてくれてるっすか?」
「えっと・・・赤也くん?」
「そうっす!あっ何か思い出しましたか?」
「ごめんね、全然なの・・・。」
「そうっすか・・・」
「でも、赤也くんは気にしないでね。」
「・・・・・・。」
「あら?後ろのみなさんはお友達?」
「俺の部活の先輩たちっす!」
「初めまして。」
「「「「「「「・・・・・・。」」」」」」」
「なんじゃ、天使の片翼じゃのぉ。」
「え?」
「知ってるんすか?!」
「知ってるも何も・・・彼女は有名ですよ。」
「・・・私のこと、知ってるんですか?」
「、氷帝の3年で男子テニス部のマネージャーのはずだが?」
「氷帝・・・テニス部・・・・・・。」
頭が痛む。
氷帝、テニス部、私の名前・・・
「痛っ・・・」
「大丈夫ですか?!」
「はい・・・ありが・・・とう・・・あの、私のこと・・・教えてください。」
「大丈夫なのか?」
「はい、ちょっと頭痛がするけど・・・大丈夫。私は何も知らないなんて嫌です。」
「ならば話そう。」
「はい、お願いします。」
「は『天使の片翼』と呼ばれていたな。」
「天使の片翼、ですか?」
「ああ、氷帝にはふたりのマネージャがいる。ひとりは、お前だ。」
「・・・はい。」
、私の名前。
それはわかるような気がする。
「もうひとりは。」
「・・・・・・。」
わからない。
それは、誰?
「と、ふたりで『天使』と呼ばれていた。」
「バラバラでは『天使の片翼』って呼んでたもんなー俺たち。」
「あの・・・みなさん私のこと、知ってるんですか?」
「そりゃ惚れちょる女のことはしっとるよ。」
「なんだー仁王もだったのかよー!」
「当たり前じゃ。」
「・・・あ、あの・・・」
「何じゃ?」
仁王先輩めっちゃ優しい笑顔だし。
俺、初めて見たっすよ、そんな笑顔・・・。
軽く流されてたけど、告白してたし。(さん(柳先輩曰く)すごすぎ!!)
「みなさん、お名前・・・教えてもらえますか?」
ミナサンハイッタイダレナンデスカ?
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