* 知らない人達 *
「!?」
・・・誰?
「ホンマにちゃんか?」
「だー!!」
「どこ行ってたんだよー!!」
あなたたちは、誰?
「心配したんですよ、先輩。」
「よかった、無事で・・・。」
誰なの?
「ーもうどこ行ってたのよー!!」
「・・・激ダサだな。」
この人たちは、誰?
いったい誰・・・?
「あ・・・ぁっ・・・いや・・・ぁ・・・こ、な・・・いで・・・ぇ・・・っっ!!」
頭が痛い。
気持ち悪い・・・。
「さん!!」
「・・・ぁ・・・か・・・や・・・・く・・・んっ・・・」
「さん、落ち着いて。」
「やぁ・・・っ」
「大丈夫だから。」
さんが俺にしがみついてくる。
瞳に涙を溜め、瞳孔が開いている。
「お願い・・・ったすけてぇ・・・」
「さん?」
いったい何があったんだろう。
この、氷帝の人たちとさんの間に・・・
「跡部さんたち、ちょっと近づかないでもらえます?」
「何でだよ。」
「さんがこんな状況なんっすよ。」
「・・・。」
「ちょっと!大丈夫?!」
「アンタも、近づかないで。」
この人たちが心配しているのがわかる。
さんにとって悪意がある人間じゃない。
それでもこの取り乱し様はおかしい。
「・・・。」
「さん、大丈夫だから・・・・。」
「・・・やっ・・・こな・い・・でぇ・・・っ」
初めて見た、取り乱したさんを・・・。
俺たちの前ではいつも笑顔だったから。
天使の微笑だった。
「とりあえず、今日は目の前から消えてください。」
この人をこれ以上苦しめないためにも。
「俺があとで話しに行きますから。」
俺はこれ以上この人を苦しめたくない。
この状態は普通じゃない。
異常だ。
「・・・わかった、行くぞ。」
「ちょっと跡部!」
「、わかるだろ。」
「・・・。」
「行くぞ。」
「さん、今俺しかいないから・・・大丈夫だから。。」
「・・・やぁ・・・いやっ・・・あ・・か・・や・・・・・・くん・・・・っ」
「落ち着いて、ゆっくり深呼吸して。」
「ごめん・・・ね・・・。」
そのままさんは俺の腕の中で意識を失った。
顔に残る涙のあと。
まだ覚えている震える手。
アナタタチハイッタイ・・・ワタシノナンナノ・・・?
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