* 天使の片翼 *
「先輩たち、どーも。」
「ああ。」
「俺たち別に役に立たなかったけどなー。」
「俺が変なこと口走るといけないっすからね。」
「今からの病室行くかのぉ。」
「そーっすね!」
「しかし、氷帝とさんの間にいったい何があったのでしょう。」
「わかんないんっすよねーあの人たちがさんを傷つけてたわけじゃないみたいですし。」
コンコン♪
「どうぞ。」
「さんー!」
「赤也くん・・・。」
「見舞いに来たぜよ。」
「ありがとう。練習お疲れ様。」
「お体の調子は?」
「大丈夫です。」
「大丈夫か?」
「うん、ありがとう・・・あっそうだ、赤也くん。」
「何っすか?」
「私、氷帝の人たちに逢ったんだよね。」
「・・・はい。」
「その人たちに名前呼ばれたかな?」
「呼ばれてたっす。」
「そっか・・・。」
「何か思い出したっすか?」
「ううん、そうじゃなくて・・・。」
「・・・。」
「もう一度逢うことって出来ないかな・・・。」
「え?」
「やっぱりダメだよね・・・。」
「・・・わかりました、俺連絡します。」
「いいの?」
「はい、ここに来てもらうことになっていいっすか?」
「うん、ごめんね、ありがとう。」
逢わせたくない。
でも、さんが望んでいる。
だから叶えたい。
「いーっすよ、俺電話してくるっす!」
「なぁ。」
「なぁに?」
「立海に通わん?」
「・・・どうして?」
「何となく。」
「あっ俺も賛成だぜぃー!」
「ブン太くん・・・。」
「編入することならいくらでもできるぞ。」
「ずっと病院生活飽きるだろ?」
「でも・・・」
「学校生活をすることでまた何か思い出すかもしれません。」
「氷帝には行きづらいだろう、立海ならばお前のことを知っているのはテニス部員くらいだ。」
「あのね、病院側に調べてもらったんだけど・・・私、身寄りがないの。」
「え?」
「両親は結構前に死んじゃったみたいで・・・ずっとどこかの家の援助を受けてたらしいの。
さすがに病院もそこまではわからないみたい。だから・・・編入はできません。せっかく誘ってくれたのに、ごめんね?」
テンシノホホエミヲモウイチドミセテクダサイ。
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