* 全てのものを惹きつける微笑 *










「おい。」


「・・・。」


「おい、お前!」


「・・・。」


!」



クラス中が静まりかえっとる。

そりゃ当然やんな、あの跡部が女の名前叫んどるねんから。

しかも呼ばれとる女の方は振り向かへんし。



「何よ、跡部景吾。」


「聞こえてんなら振り向けよ。」


「前にも言ったでしょう?私は名前を呼ばない限りは振り向かないって。」



振り返ったのは俺の想像してたイメージとは違った。

もっと気の強そうな女を想像してたからなー。

どっちかって言うと可愛い系やん。



「すげー女。」


「って言うかアンタたち誰?」



あっ目が合った。

やっぱ可愛いやん、ちゃん。

とりあえず自己紹介でもしとくか。



「忍足侑士や。よろしくな。」


「向日岳人!よろしく!」


「芥川慈郎ー。よろしくー。」


「・・・それで、何か用?」



にっこり。

目の前のちゃんはもう何とも言えん微笑で笑いかけてきた。



「「「「・・・・・・///」」」」



(跡部が惚れたんわかったわ。)


(めっちゃ可愛Eー!)


(すげーなんだよあの笑顔!)



「おい、。今日の放課後は来いよ。」


「わかってるわよ、たろーちゃんに言われたし。」



(どういう関係なんだよ、太郎と?!)


(たろーちゃんとか呼んでるCー。)


(太郎がスカウトしたんやろ?)



「昨日言ってたことと違うじゃねぇーか。」


「仕方ないじゃない。」



初めて見たわ、跡部に負けへん女。

普通の女やったら言い返さへんで。

だいたいは跡部の目に負けて終わってしまうもんなーすごいで、ちゃん。



「「「「・・・・・・。」」」」



「アンタたちもテニス部なわけ?」


「そうだぜ!」


「どうせそこの俺様な男に訊いたんでしょ?私のこと、色々と。」



「「「・・・・・・。」」」



(すげー跡部のこと俺様とか言ってるし!)


(おもろいコやなーちゃん。)


(すごEー。)



「別にたいしたこと言ってないし、問題ないけどね。」



にっこり。

ホンマにあかんでその笑顔は。



「俺、ちゃんのこと気に入ったわ。」


「俺も気に入った!」


ちゃんー膝枕して?」


「アンタたち意味わかんない。そこの俺様と一緒で。」


「とりあえず仲良くしよーや。」


「そうそう!俺たちといると楽しいぜ!」


「膝枕ー。」


「意味わかんない。」




 







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