* 本当の笑顔 *
「部員、多すぎませんか?」
「200人くらいかな。」
「部長さん、私は今日見学しますから。」
「うん、監督から訊いているよ。」
「じゃあそういうことで。」
「!」
「何?跡部景吾。」
「何でフルネームなんだよ。」
「別に良いじゃない。」
「まぁ良い、見ておけよ。」
「はぁ?」
「俺様の美技に酔いな!」
「・・・。」
目の前の女は動かない。
しかも震えてやがる。
「・・・ふふ、あははっもうアンタおかしいー!!だめ、面白すぎる!!
そんなこと言う奴立海にもいなかったわよ!立海も変わった人間多かったけど!もうおかしすぎ!」
「笑えるじゃねぇーか。」
って言うか、震えてたのは笑いを堪えてたってことか?
心配して損したぜ・・・。
「あっ・・・やっちゃった、最悪ー!」
さっきの冷たい瞳とは違う。
子供っぽい、可愛いと思わせるそんな瞳をしてやがる。
「それが本性かよ。」
「うん、こういう性格。結構アバウトな人間なの、改めてよろしく。
ちなみにこの学校で一番初めに私の本性知った人間だし、教えてあげるね。
最初あんな風に接するようにはね、立海のみんながそうしろって言ったの、よくわかんないけど。
これをねー初めて本性知った人間には言っておけって言ってたから言ったの。」
・・・・・・なるほどな。
立海の奴らもを誰にも渡したくねぇーってか?
だから最初にあんな風に冷たくあしらわせた。
「あっやっぱりさっきみたいにしてたほうが良い?まぁ他の人たちの前ではさっきのままだし。
・・・でもだめだなぁー1日しかもたなかったし、けーちゃんのせいだからね、あのセリフはないでしょう!」
「けーちゃん・・・?」
「そう、けーちゃんって感じでしょう?」
「・・・・・・。」
「けーちゃん、これからは仲良くしてくれる?」
「あぁ、良いぜ。」
立海の奴らの宝物。
手に入れてやろーじゃねぇーか。
「本当?!」
にっこり。
昨日とは違う笑顔。
冷たい瞳のまま笑う笑顔じゃなく、子どもっぽい瞳で笑う笑顔。
そっちの笑顔の方がコイツには、似合っている。
「じゃあ、けーちゃんが氷帝初めてのお友達だねv」
「友達作る気はあったのかよ。」
「うん、一応。」
「あの態度じゃ無理だぜ。」
「そう?でもけーちゃんと友達になれたし問題なし。」
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