* 始業式の楽しみ *
3月のある日曜日。
天気は快晴。
「クニクニ、カモーン!」
「呼んでるみたいだよ、手塚。」
「知らん。」
ある女の子が手塚の名前(?)を呼んでいる。
ちなみに女の子というのは綺麗なソプラノが聴こえたからそう思っただけ。
「クニクニー!!」
一向に動こうとしない手塚。
諦めようとしない女の子。
「部外者は出て行け!」
「部外者じゃないもん!」
「何だと・・・?」
「4月から青学に通うんだもん!」
「・・・。」
どうやら青学に通うらしい女の子。
諦めたのか手塚はその女の子に近づいていく。
「嬉しいでしょ?」
「嬉しいわけがあるか!!」
「ヒドイっっ私のことは遊びだったのねっ!」
「なっ・・・!!」
「あなたに捨てられるなんて・・・私はもう生きていくことなんて出来ない!
さよならクニクニ・・・・・・。」
「・・・。」
地面に座り込んでしまった女の子。
どうやら泣いているみたい。(まぁ嘘泣きみたいだけどね。)
「・・・普通ここで『待ってくれ、!』とか言うものじゃない?」
「お前の演技は下手すぎる。」
「わざと下手にやってるだけだもん。」
どうやら女の子の名前はというらしい。
顔も可愛い女の子。
「・・・本当に、4月から青学に通うのか?」
「ちゃん、嘘はつきませーん!」
「・・・。」
「というわけでよろしくね、クニクニv」
「・・・話は終わった?」
「あっ青学の天才。」
僕のほうを見てと言う女の子はそう言った。
「・・・僕のこと、知ってるの?」
「うん、有名だよ。」
「不二、この女は・・・」
「キャァー!もうこんな時間じゃん!もうっクニクニのせいだからねっ!」
そう言ってという女の子は後ろを向いて走り出した。
「君、名前は?」
「4月の始業式のとき教えてあげる!
クニクニに訊かないように!そして、クニクニも教えないよーに!」
「「・・・・・・。」」
「楽しそうな女の子だね。」
「アイツの相手をしていると疲れる。」
「でも珍しいよね。手塚が女の子とあんな風に楽しそうに話すなんて。」
「楽しくないぞ、アイツと話すのは。疲れるだけだ。」
「楽しみだな、始業式。」
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