* 怯えた瞳 *










「ついてきんしゃい。」


「え?」


「丸井を待つんじゃろ?」


「そうですけど・・・」


「俺は丸井と同じ部活じゃからな。」



部活。

ブン太と一緒。

目の前の仁王くん。

同じ。

弾む黄色いボール。

追いかける人たち。

テニス。

テニス。

テニス。

テニス。

テニス。



「・・・・・・ぃゃぁっ」


?」


「あっごめんなさい・・・やっぱり、私・・・行けないっ」



ダメ。

見れない。

テニス。

恐い。

だから逃げるの。

見たくない。



!!」



怖い。

怖い。

怖い。

怖い。

怖い。

ごめんなさい。

弱い私を許して下さい。




















「仁王!」


「なんじゃ?」


は?」


「逃げられた。」


「何だよそれ!?」


「突然走って帰ってったんじゃ。」


「何で?!」


「俺が知るわけなか。」



怯えていた。

俺が怖いのだろうか?

いや、違うような気がする。



「仁王、なんかしたんじゃないよな?!」


「するわけないぜよ。」


「待ってるって言ってたのにどーしたんだろ・・・。アイツ絶対に約束守るのに・・・。」


「行ってみればいいじゃろ、の部屋に。」


「あっそうだよな!」


の部屋はウチの隣じゃ。」


「マジ?!」


「マジじゃ。」



氷帝から来た少女。

・・・一体何があったんじゃ?

何故気になる?

好奇心?



「じゃあ部活終わってから行ってみよ。」


「俺も行くぜよ。」


「何で?」


「何となく、気分じゃ。」


「まぁいいぜぃ☆でも、に手を出すなよ!」


「惚れちょるね、丸井。」


「おぅ!何年も前から片想いだ!アイツかなり鈍感なんだぜ。」


「・・・・・・。」


「仁王も惚れた?惚れた?」


「お前はライバルを増やしたいんか?」


を好きになる人が多い方が俺は嬉しいぜぃ☆で、どうなんだよ?」


「・・・どうじゃろな。」






















ダメ。

嫌。

怖い。



「うわぁっ!」


「きゃっ!」


「ごめんごめん、君大丈夫?」



オレンジ。

あたたかい光。

太陽。

神様。



「神様・・・私の罪を、裁いてください。」



どうか・・・お願い。

罪。

罪。

罪。

罪。

罪。

私の罪を裁いてください。



「ちょ、ちょっと君!?」



あたたかな光の下に私はゆくことが許されるのでしょうか・・・?




 







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