* あたたかすぎる場所 *










「はよ、。」


「・・・・・・仁王くん?」



ドアの前にいたのは仁王くん。

昨日もここまで送ってくれたのは彼。

どうして、そんなに優しくしてくれるの・・・?



「そんなに遅く出てきて遅刻しても知らんよ?」


「待っててくれたんですか?」


「昨日言ったじゃろ。」


「・・・・・・。」



昨日?

話をした。

それなのに・・・彼は私を待っていてくれたの?



「マンション出たらわかるぜよ。」


「え・・・?」



出口のところに沢山の人。

見たことがある人たち。



「おはよーございます!先輩!」



赤也・・・。



「おはようございます。」



柳生くん・・・。



「遅いぜぃ☆」



ブン太・・・。



「この時間だと少し急がねば遅刻する確立87%。」



柳くん・・・。



「はよ。」



ジャッカルくん・・・。



「おはよう。」



真田くん・・・。



「どうして・・・?」



どうして、あなたたちは・・・。

私に優しくしてくれるの・・・?



「昨日言ったじゃないですか!俺が先輩に幸せをあげますからv」


「私達は別に約束をしたわけではないのですよ。」


「そうそう!を迎えに行こうとしたらなんかみんな集まってたんだぜぃ!」


「わざわざ昨日丸井先輩から先輩の住んでるとこ訊きましたからね。」


「全員からメールが着たからビックリだぜぃ☆そんだけ愛されてるってことだな、よかったじゃん!」


「はやく行きましょーよ!本当に遅刻しちゃいますよ!」





















俺は何となく氷帝に来ていた。

昨日ちゃんに逢ったから。

跡部くんに逢ったから・・・。



「やっぱでかいなーさすが氷帝。」



ここは、あの子が通っていた場所。



「跡部くんたちいるかなー?」



やっぱり話したいと思う。

ちゃんと、彼らの気持ちも聞きたい。

あの時の気持ちじゃなくて、今の気持ち。



「立海はちゃんにとって優しい場所だといいな・・・。」


「千石やん、どうしたん?」


「あー忍足くんだね!ちょうどよかったよ。」


「何しにきたん?」


「ちょっと話をしに。」


「・・・・・・まぁ部室に来いや。」


「うん。」



彼らは今、どう思っている?

跡部くんの気持ちは少しはわかった。

なら、他の彼らの気持ちは?

俺が彼らの気持ちを知ってもどうにかなるわけではないこともわかる。

でも、少しでも・・・ちゃんが笑えるようになるのなら。

俺だって協力するよ。




 







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