* 罪を裁いてくれる人 *










私は優しくされることを望んでいるわけじゃないの。

だからお願い。

私に優しくしないで。

責め続けてよ・・・・・・。

私に罪を償わせてよ・・・。





















「帰るんか?」


「・・・・・・うん。」


「そーか。」


「・・・・・・。」


「またな、。」


「え・・・・・・?」


「どーした?」


「今、何て?」


「またな?」


「その、あと・・・・・・っ」


?」


「どうして・・・・・・?」


「呼んじゃいけんかったか?」


「・・・・・・。」


は結構顔に出るのぉー。」


「え?!」


「嫌じゃないと考えてもよか?」


「・・・・・・顔に出てるんでしょう。」



私はどうしてこんなことを言ったのだろう。

拒絶しなくちゃいけないのに。



「そーじゃね。」


「・・・・・・。」


「じゃあまたな。」


「・・・・・・またね。」



どうして「またね」なんて言っちゃったんだろう・・・?

「また」なんて求めちゃいけないのに・・・。





















先輩!!」


なら帰ったぜよ。」


「マジッスか?!」


「マジじゃ。」


「せっかく今日帰り一緒に帰ろーと思ったのに!!」


「残念じゃな。」


「・・・・・・。」


を誘うなんて10年早いナリ。」


「って!何で名前で呼んでるんっすか!?」


「ピヨ。」


「仁王先輩ずるい!!!」


「ピヨピヨ。」


「俺だって絶対に呼んでやるー!!」



仁王先輩に先越されたのがすごく悔しい。

本当はすぐに名前で呼びたかった。

丸井先輩が名前で呼んでいたから。

でも、丸井先輩は幼馴染らしいから仕方ないって思った。

それに・・・突然呼ばれるのは嫌かなって思ったから・・・。



「頑張りんしゃい。」


「・・・・・・そんなに余裕ぶってられんのも今の内っすからね!!」


「怖いのぉー。」


「絶対に仁王先輩に負けませんから!」





















私は罪人です。

罪人なのに・・・優しさを求めてしまっている。

私は・・・優しさを求める資格なんてないのに・・・・・・。



「ぁ・・・・・・っ」



ねぇ、あなた達なら私を裁いてくれるよね。

お願いだから・・・。

私が優しさに甘えてしまう前に・・・。

私を裁いてください。




 







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