* 罪を裁いてくれる人 *
氷帝の人たち前に座り込んでいる人がいた。
それが先輩だと知るのに時間はかからなかった。
そして、思わず俺は叫んでいた、「先輩」と。
「ねぇ・・・どうして誰も私を裁いてくれないの?」
さっきからこの言葉を繰り返している。
どうしてこんなにこの人は自分を罪人とするのだろう?
この人は悪くないのに・・・・・・。
「先輩、とりあえず帰りましょ?」
先輩の手をとって立たせてあげる。
素直に立ってくれた、よかった・・・。
「じゃあ、俺たちは帰るんでさよなら。」
一応、挨拶だけはしておく。
動こうとしない氷帝の人たち。
この人たちが先輩を傷つけた・・・許せない。
許さない。
許さない。
許さない。
許さない。
許さない。
俺たちは動けなかった。
が連れて行かれるのを黙って見ているしかなかった。
誰も一言も声を発しようとしない。
「先輩・・・・・・。」
長太郎が初めに口を開いた。
「俺たちは一体、どうすればいいんでしょうか・・・?」
本当に、俺たちはどうすればいいんだろうな・・・。
裁いてくれという。
裁けない俺たち。
俺たちはもう、2度と交わることがないのかもしれない。
あの頃にはもう・・・。
「もう・・・先輩は戻ってきてくれないのでしょうか・・・。」
誰もが思っていること。
はもう、戻ってこない。
壊れた人形が動き出す時までは・・・
「俺たちはどうすればいいんだろうねー。」
「難しいよな・・・。」
「全部俺たちが悪いんだCー。」
「自分たちが蒔いた種は自分たちで処理せんとあかんよな。」
「そうだな。」
「ちゃんと花が咲くといいですね、先輩という綺麗な花が・・・。」
という花。
俺たちを癒し、励ましてくれる小さな花。
小さく、優しい花・・・。
「まだ時間はある。花は時間をかけて育ててもいーんじゃねぇーか?」
「そうやんな、ゆっくり行こか。」
「俺たちがから奪ったものを少しずつ返していこうぜ!」
「いつか、俺たちにあの時の笑顔を見せてくれるといいねー。」
自分たちが蒔いた種。
ゆっくりと時間をかけて花を咲かせたいと思う。
どうか、俺たちに時間を・・・・・・。
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