* 大切な存在 *










ー!!」


「・・・・・・ブン太?」


先輩、俺もいるっす!」


「赤也・・・?」


「調子はどうだ?」


「え・・・?」


「赤也がここまでお前を運んでくれたんだぜ、感謝しろ!」


「・・・赤也が?」


「熱があるならもっとはやくに言って下さいよー俺かなり心配したんですからね!!」


「・・・ごめん、なさい。」


「いやっそんな風に謝られると困るんっすけど・・・。」


「・・・・・・。」


「こういう時はありがとうって言うんですよ?」


「・・・ありがとう・・・。」


「よく出来ました☆」



あっ・・・ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ先輩が笑った。

ほんのちょっとだけ、もしかしたら俺の見間違いかもしれないけど・・・。

でも、ちょっとだけ俺にも心を開き始めてくれてるって信じてもいいっすよね?



いつまでここにいるんだ?」


「え?今日帰るよ、お家に。」


「大丈夫なんっすか?」


「全然・・・大丈夫。」


「よし!じゃー仁王に迎えに来てもらおうぜぃ☆」


「そーっすね、隣ですし。」



仁王先輩はやっぱりずるい。

教室でも隣の席で。

家も隣。



「え・・・あの、迷惑かかるようなこと・・しちゃダメだと思う。」


「迷惑じゃないって!」


「仁王先輩なら喜んできてくれますよ!」


「・・・。」


はそんな心配しなくていいんだ。」



ポンポンって先輩の頭を撫でている丸井先輩。



「あり、がと・・・。」


「じゃあ俺、電話してくるっすよ!」


「おぅ!任せたぜぃ☆」





















赤也から電話があって心臓が止まるかと思った。

原因は熱だったからまだよかったけど・・・・・・。

でも、赤也ものことを大切に思ってる。

それはやっぱり俺にとっては嬉しいこと。

もしかしたらは笑えるようになるんじゃないのかと思える。

氷帝に行ってからも何回か逢うことはあった。

でも、急に逢わなくなった。

お互いに部活が忙しくなったから。

は氷帝でテニス部のマネをしてるって言ってた。

楽しそうだったから、俺もの楽しい時間を邪魔したくなかった。



「・・・ブン太?」


「あっごめんごめん、ちょっと考えごと。」



でも、は壊れた。

壊れてしまった。

アイツ等が・・・氷帝がを壊した。

許せない、氷帝が・・・・・・。

を壊した奴らが許せない。




 







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