* 穢れた血 *
「!!」
手首に刃物を当てている姫さんの手を掴む跡部。
刃物が地面に落ちる。
姫さんの手首からは真っ赤な血が流れていた。
血。
血。
血。
血。
血。
「何やってんねん、姫さん!!」
姫さんの瞳に俺は映ってへん。
勿論、跡部もや。
「忍足!ハンカチ貸しやがれ!」
姫さんの細い手首には跡部のハンカチが巻かれている。
でも、深く切ったのか白いハンカチは真っ赤に染まっとる。
「姫さん・・・なんでこんなことしたん?」
跡部にハンカチを渡しながら瞳に俺たちを映すことの無い姫さんに問いかける。
「姫さん?」
「のところに、逝くの・・・・・・。」
「・・・死ぬつもりやったん?」
「に謝らなきゃいけないの・・・・・・。」
「ここで手首を切ってものところにいけるはずねぇーだろーが!」
「どぉして・・・・・・?」
「はお前を庇って死んだんだろーが!!」
自殺した姫さんがと同じ場所にいけるはずはない。
そう言いたいねんな、跡部は。
「裁かれなきゃ、いけないのよ・・・・・・!」
「何いってんねん、姫さんは悪ない。」
「私がいけないのよ!私が・・・・・・私が・・・・・・っ」
錯乱してしもうとる姫さんを跡部が抱きしめた。
まだ小さく聞こえる姫さんの自分が悪いと言う言葉。
まるでその言葉を止めようかとするように跡部は抱きしめる手を強めとった。
俺は姫さんの頭を撫で続けてやることしかできんかった。
「俺たちはこいつを助けてやれねぇーのかよ・・・。」
泣き叫んで眠ってしまった姫さんを跡部は俺に渡して歩き出した。
姫さんを抱き上げて俺もついて行く。
壊れた人形になってしまった姫さんは本当にもう俺たちに笑いかけてくれへんのやろか。
もう二度と・・・・・・。
『あっちゃー失敗しちゃった。』
『大丈夫だって、アイツ等なら。』
『そうかなぁ?』
『大丈夫大丈夫、が作ったものならなんでもいけるわよ。』
『うーん・・・とりあえず渡しちゃおっか。』
『そうそう、アイツ等がどんな顔するか楽しみだわー。』
『・・・なんだ、コレは。』
『カップケーキよ、カップケーキ!見ればわかるでしょ!』
『なんでカップケーキが黒焦げなん?』
『失敗しちゃったの・・・ごめんね。』
『なになにーちゃんの手作り?!』
『私との合同傑作よ。』
『うん、ごめんね、最後の仕上げで私が失敗しちゃって・・・。』
『食っていいのか?』
『おっ宍戸が珍しいー。』
『俺も食う食う!』
『で、アンタたちはどうするの?』
『姫さんの手作りやったら食うに決まってるやんv』
『俺も食べたEー!』
『跡部は?』
『・・・食う。』
『みんな無理しちゃダメだよー。』
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