* 穢れた血 *










「・・・何処行くん?」


「病院に決まってるだろーが。」



応急処置はした。

と言っても血を止める程度。

ちゃんと手当てをしなければいけない。



「・・・・・・立海の幸村が入院してる病院がいいんちゃう?」


「・・・そうだな。」



アイツ等はこの状態のと俺たちを見てどう思うんだろうな・・・。

立海の奴等は俺たちとの間に何があったのかを知っていると千石は言っていた。

そうであるならばアイツ等は必ず俺たちのことを憎んでいるだろう。

のことを大切に思っているのなら尚更。

俺たちは憎まれるような行為をしたのだから・・・・・・。

もし、アイツが氷帝ではなく立海の傍にいて幸せならば・・・。

俺たちはその幸せを奪うような行為をしてはならない。

もうアイツの幸せを俺たちが奪うことだけはしたくない。






















先輩起きたかなー?」


「さすがにもう夕方だぜぃ、起きてないと本当にやばいって。」


「全く、あなた達は朝からさんのところへ押し掛けたんですか?」


「丸井と赤也が押し掛けた確立99%・・・仁王も含むか?」


「お隣さんじゃからな。」


「朝から女子の家に押し掛けるとは・・・たるんどる!!」


「別にいいじゃないっすかー夜這いじゃあるまいし。」



いつもと変わらない会話。

最近の俺たちの会話には先輩がよく出てくる。

それはきっと・・・先輩が俺たちにとって大切な人だから。




















「跡部、あれ立海とちゃう?」



俺たちの前を歩いている集団。

立海・・・・・・。



「真田。」


「跡部に忍足・・・・・・?!」


先輩!!!」



俺の呼びかけに気付いた立海の奴等は駆け寄ってきた。

の許へ。

こいつらは・・・昔の俺たちと同じだ・・・。



怪我してんじゃん!」


「早く手当てをしていただかなくては・・・。」



「「「「「「「・・・・・・。」」」」」」」



「言いたいことがあるって顔してんのはわかんねんけど・・・姫さんが起きたら困るから今はやめてな。」






















先輩・・・・・・。

本当に少ししか話をしたこともないのに・・・どうしてこんなにこの人が大切なんだろう。

氷帝の忍足さんの腕の中で眠っていた。

ただ眠っているだけならよかった。

でも・・・先輩は怪我をしていた。

しかも血が流れていたのは手首。

手首。

手首。

手首。

手首。

手首。

真っ白のハンカチが真っ赤に染まっていた。

その原因を作ったのは誰?

氷帝?

死んださん?

俺にはわからない。

どうしてこんなにもこの人が傷つかなくちゃいかない?




 







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