* 穢れた血 *
コンコン。
「どーぞ。」
「切原くん、さんの様子は・・・・・・。」
「今眠ってるっす。」
「この子がちゃん?」
「幸村くんも来たんだー。」
「うん、君たちの大切な女の子に逢ってみたかったからね。」
コンコン。
「入るぞー。」
「幸村も来ていたのか。」
「アイツ等は?」
「帰らした。」
「そっか・・・・・・サンキュ。」
「・・・んっ・・・。」
「あっ先輩起きた!」
「・・・・・・誰?」
「こんにちは、俺は幸村精市。」
「幸村くん・・・・・・?」
「うん、そうだよ、ちゃん。」
「私の名前、知ってるの・・・・・・?」
「彼らから訊いたよ、君のことはね。」
「私のこと、知ってるの?」
「うん、ゴメンね。」
「・・・・・・ブン太・・・私、幸村くんとふたりで話したい。」
「・・・・・・わかった。」
「大丈夫だよ、丸井。」
「わかってるって、幸村くん信用してるぜぃ☆」
「ねぇっ私のこと知ってるんでしょ?じゃああなたなら私を裁いてくれる・・・・・・?
はやく裁いて。私がもっと罪を重ねる前に私を裁いて、裁いてよぉ・・・・・・!!」
「ちゃん・・・・・・俺には君を裁くことなんて出来ないよ。」
彼女にどんな言葉をかければいいのかはわからない。
でも、確かに彼女は悪くない。
だから誰も決してちゃんを裁くことなんて出来ない。
「君は悪くない、悪くないよ。」
「違うの、悪いの、悪いのよぉ・・・!」
「悪くないよ。」
優しく抱きしめてあげた。
「ちゃんは悪くないよ。」
頭を撫でてあげた。
俺が出来るのはこれくらいだから。
「大丈夫だよ、君は悪くない。」
彼らが大切に思っている理由がわかった。
儚く繊細な存在。
大切な存在。
「大丈夫だよ、ちゃん。」
いつの間にかこの弱い存在が大切だと思えた。
俺にとっても彼女は大切な存在。
「眠っちゃったかな・・・・・・?」
腕の中で眠ってしまった少女。
夢の中ではどうか彼女を傷つけるものがないように・・・・・・。
「ちゃん眠っちゃった。」
少ししてまた病室に入ってきた彼ら。
「どうすっか?」
「とりあえず連れて帰るけえ。」
「ちょっと待てよーの家は入れないじゃん!」
「大丈夫じゃ、うちに泊めちゃる。」
「それってヤバイッスよ!」
「ピヨ。」
「・・・本当に大切な存在なんだね。」
「当たり前だぜぃ☆」
「先輩っすからね!」
「幸村くんはどうなんだー?」
「うん、俺にとっても大切な存在になりそうかな。」
「そっか、じゃあ仲良くしてやってくれよな☆」
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