* 伝えなきゃいけない言葉 *
「!」
「・・・・・・サエ、ちゃん?」
「やっぱりだね!久し振りだね、元気だったかい?」
「・・・・・・。」
やっぱり様子がおかしい。
あの頃と同じなら、俺に笑顔を向けてくれるはずだ。
でも、今のには笑顔がない。
あの頃の笑顔がない。
「・・・・・・・・・何があったの?」
「サエちゃん・・・っ」
「泣いてるの?少し落ち着こう?」
「サエちゃん、あのね、私ね人殺しなの。大好きだった親友がね、私のせいで死んじゃったの!
だからね、誰かに私の罪を裁いてもらわなきゃいけないの。ねぇ、サエちゃんは私を裁いてくれる?」
親友が死んだ?
のせいで?
の罪?
を裁く?
俺にはよくわからなかった。
「・・・・・・ごめん、俺にはを裁くことなんて出来ないよ。」
何があったのかもわからない。
でもきっと、俺はを裁くことなんて出来ない。
「・・・・・・サエちゃん・・・。」
「泣かないで、。」
どうか泣かないで。
君は俺の大切なお姫様なのだから・・・・・・。
「・・・ごめんね、サエちゃん。私もう行くね。」
俺には止めることが出来なかった。
ただ少しわかったこと、はあの頃のとは変わってしまったということ。
そして・・・誰かが言ってた、壊れた人形になってしまった・・・と。
全くその通りだということが・・・・・・。
去っていくを見送りながら電話を掛ける。
相手は「千石清純」。
彼は交流の幅が広いと訊いたことがある、彼なら知っているかもしれない。
に何があったのか・・・。
「あっもしもし、俺、六角の佐伯だけど。」
「あー佐伯くん、どーしたの?」
「君はのこと知っているかな?」
「ちゃん?ちゃん?」
「そう、。」
「・・・・・・君はちゃんとどういう関係なの?」
「は六角に通っていたんだよ。」
「・・・なるほどね、じゃあ君は笑顔の頃のちゃんを知っているんだね。」
「そういうことになるかな。」
「わかった、じゃあ話をしよう。明後日、六角に行くよ。」
「うん、よろしく。」
電話は切れた。
これで少しはわかる、に何があったのか。
逢わなかった数年間にに一体何があったのか・・・・・・。
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