* 太陽の示す道 *
「どーも、佐伯くん。」
「わざわざすまなかったね。」
「別にいいよ、ねぇ、ちゃんの写真とかある?」
「写真?」
「そう、笑顔の。」
「・・・あるよ、部室の方にいっぱいね。皆が持ち込んだから。」
みんなを大切にしていた。
は俺たちのお姫様だったから。
だから写真も多くある、もちろんどれもは笑顔だ。
「何処で話をしようか?」
「なるべく人が多くないところがいいよね。」
「一応ね。」
「屋上に行こうか、あそこなら人もいないから。
あっちょっと待っててもらえる?部室から写真持ってくるから。」
「オッケー。」
「・・・はい、これが写真。」
「ありがとー。」
渡されたアルバムの中のちゃんはどれも笑顔だった。
絶対に笑ってる。
笑顔以外のものは無い。
今では考えられないもの。
「笑ってるね、ちゃん。」
「うん、どれも可愛いだろう?」
「そうだねー。」
「・・・もう、この笑顔を見ることはないのかな。」
「それはわからない。」
ちゃんが前に進むことを拒絶するのなら、もう二度と見ることは出来ない。
全てを乗り越えない限りは・・・・・・。
「じゃあ話を聞いてもいいかな。」
「・・・何から訊きたい?」
「まず、がああなった理由。それから・・・氷帝との関係。」
「ちゃんの親友のちゃん、彼女が死んだことからはじまったんだ。」
「そういえば言ってたな・・・親友と殺したって・・・。」
「別にちゃんが殺したってわけじゃないよ。
事故だったんだ、飛び出した子猫をちゃんが助けようとしてね。
そのちゃんをさんが助けたんだ。それでさんは・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「さんもちゃんも氷帝テニス部のマネージャーだった。
みんなに愛されていたちゃん、みんなに頼りにされていたさん。
ふたりとも彼らにとってかけがえの無い存在だったんだ。そしてそのかけがえのない存在のひとりを失った。」
そして彼らは自分の気持ちを止めることが出来なくなった。
「かけがえのない存在を失った彼らの気持ちがわかるかな?
それと・・・ちゃんの気持ちも・・・・・・。」
「それで・・・は壊れてしまったんだね。」
「うん、その通りだよ。」
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