* 壊れた人形 *










先輩・・・・・・。」



いつもみたいに先輩のクラスに行った。

少しでも、ほんの少しでも笑ってくれたらそれでいいと思ったから・・・。

笑ってくれなくてもいい。

ただ先輩の顔が見れたらそれでよかった。

でも・・・俺が行った時先輩は外を見ていた。

外は青空だった。

綺麗な綺麗な青い空。

そして・・・先輩は落ちた、窓から。



「何で俺はもうちょっとはやく先輩のところに行けなかったんだろ・・・。」



俺がもうちょっと早く行っていれば落ちた先輩の手を掴めたのに・・・。



「赤也、お前のせいじゃねぇーよ!」


「そうじゃ、俺のほうがに近かった。それやのに手を掴めんかった。」


「でもっ!」



先輩を見たのは俺が最後だった。

先輩の教室のドアから落ちる瞬間を見た。

見てしまった。




















『チィーッス!先輩、来たっすよー!』


『何じゃ赤也、また来たんかい。』


『別に仁王先輩に逢いに来たわけじゃないっすよー。

センパーイ!空じゃなくて俺を・・・・・・先輩っっ!!』




















俺のせいかもしれない。

俺が突然声をかけたから驚いて落ちてしまったのかもしれない。

俺のせいだ。

俺のせいだ。

俺のせいだ。

俺のせいだ。

俺のせいだ・・・・・・。



「切原くん、あなたのせいじゃありませんよ。」


「俺のせいっすよ・・・・・・っ」


「そんなこと言うなよ!!」


「・・・丸井先輩・・・。」


「お前のせいじゃない!お前のせいのはずないじゃん!そんなこと言ってたらが傷つく。

絶対に言うなよ。に”自分のせい”だなんて絶対に言うなよ!!わかったなっ!」


「・・・はい。」



丸井先輩の気持ちがわかる。

確かにそうだ、あの人は本当に繊細で傷つきやすい人だから。

俺が自分のせいだと言ったらきっと「違う」って言う。

そして傷ついてしまう。

俺だって先輩を絶対に傷つけたくない。

絶対に。

絶対に・・・・・・。

まだ先輩は目覚めない。

お願いだからはやく、目覚めて下さい。



先輩・・・・・・。」



お願いだからはやく目覚めて。

笑顔じゃなくてもいい。

お願いだから、はやく、目を覚ましてください・・・・・・。




 







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