* 壊れた人形 *
「・・・・・・。」
俺の大切なお姫様。
ねぇ、早く目を覚ましてよ。
言ったじゃん、俺をフリーにしちゃダメだって。
ずっと傍にいればよかったな。
が氷帝に行くって言った時ももっと止めればよかった。
そうすればこんなことにはならなかったかもしれないのに。
愛しいんだ、君のことが。
可愛くて、優しかった笑顔の君が・・・・・・。
「早く目を覚ましてよ。」
愛しい君。
俺にもう一度笑顔を見せて。
俺を決してフリーには出来ない笑顔を。
「それは本当か?!」
部室内に手塚の声が響いた。
「・・・わかった、俺もすぐそっちに向かう。」
「手塚?どうしたんだい?」
「・・・・・・すまない、俺は今から病院に向かう。」
「あとは任せた」と大石に言っていた。
病院?
一体何があった?
「病院に何しに行くのかにゃ?」
「・・・が窓から落ちた。」
「なっ!!」
思わず声をあげてしまった。
・・・ちゃんが窓から落ちた?
みたいに死んじゃったの・・・?
「千石の話だと危険な状態らしい。」
「手塚、こっちのことは俺に任せてくれて大丈夫だから・・・早く行ってあげて。」
「あぁ、すまないな。」
俺は動けなかった。
ただ、手塚の背中を見守ることしか出来なかった。
「英二?」
「・・・・・・ちゃん・・・死んじゃわないよね?」
「大丈夫だよ、英二。」
みたいに死なないで、ちゃん。
だってちゃんが死んだらが悲しむから。
「死なないで・・・ちゃん・・・。」
病室の前には千石がいた。
「手塚くん!」
「千石!の様子は?!」
「うん、まだ危険な状態だよ、さぁ、君も入って。」
を囲むようにしている立海と氷帝の人間。
そして六角の佐伯、千石と俺。
「ちゃん、今日中に目覚めなかったら危険なんだって・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「君も声をかけてあげて、きっとちゃんに届くから。」
に声をかけている立海の奴等と佐伯。
何も言わない氷帝。
「・・・・・・。」
目を覚ましてくれ。
俺はもう一度お前と話がしたい。
愛してる。
今でもあの頃と変わらず愛している・・・・・・。
ねぇちゃん。
こんなにも君を大切に想ってる人がいるんだよ。
だから早く目を開けよう?
君の世界は本当にあたたかなものなんだよ。
「ちゃん。」
俺もね、実は初めてちゃんのこと見た時から気になってたんだ。
ちなみにそれはあの時じゃないよ。
もっと前。
まだちゃんが壊れた人形じゃなかった時にね、君のこと見ているんだよ。
その時から、きっとちゃんのこと愛してたんだ。
「はやく目を開けて。」
初めて会話した時、その時から本当は愛しさが募っていたんだ。
愛してるよ。
本当に。
だから早く目を開けて?
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