* 壊れた人形 *










『何でが死んだんだよっ!』



俺はを傷つけた。

大好きなを。

本当に愛してるんだ、のこと、今でもずっと。

でも、あの時の俺はどうしても自分自身を制御できなかった。

全部にぶつけたんだ。

自分の抑えられない気持ちを。

は何も言わなかった。

俺がいっぱい罵声を吐いても感情を表さない人形。

壊れた人形だったんだ。

ごめん。

本当にごめん。

俺はを傷つけたかったわけじゃないんだ。

もう絶対に傷つけたくないんだ。

だから頼むから目を開けてくれよ。

頼むから、俺にもっと笑いかけてよ。

前と同じ笑顔で・・・・・・!!



が死ななきゃいけねぇーんだよ!』



あの時の俺は自分の気持ちを理解も出来てなかったす、止めることが出来なかった。

溢れてくる気持ちを。

大切にしていたはずのお前を逆に傷つけちまった。

傷つけてはいけない唯一の存在だったお前をな。

今でも俺はお前のことを大切にしたいと思ってるんだぜ。

愛しいって思ってるし。

でも、俺はやっちゃいけねぇことをしちまったんだよな。

後悔したって仕方がねぇことはわかってる。

だけど後悔しか出来ないんだ。

俺にの気持ちをぶつけてくれよ。

だから早く目、覚ませよ。

出来ることならもう一度、俺に笑いかけてくれ。



『・・・はもういいひんねんな。』



実際何を姫さんに言うたかなんて具体的には覚えてへん。

ただ、ヒドイ言葉を飛ばしとったことはわかる。

あん時はただいなくなった存在しか見てへんかった。

一番傷ついてる姫さんを傷つけてしもた。

姫さんは言葉も発することがなかった。

壊れてしもてんもんな。

なぁ、俺にもう一回笑いかけてくれへん?

姫さんの笑顔、めっちゃ好きやねん。

ホンマに姫さんのこと愛しとるで。

今でもずっと愛しとる。

だって俺にとって姫さんは大切な女の子やねんから。

早く目、開けてくれや。

もし姫さんが目を開けてくれへんかったら俺もどうにかなっちまいそうやねん。



は死んじゃったんだよ・・・っ』



ちゃんが大好きだった。

だから庇ったんだよね。

それなのに俺はが死んじゃったことを受け止めれなくていっぱい責めちゃったんだ、ちゃんのこと。

愛してるんだよ、ちゃんのこと、すっごく!

ねぇ、早く目を覚ましてよ。

俺に笑顔をいっぱい向けて?

また膝枕してよ。

みんな、俺がちゃんに膝枕してもらったら怒るんだよーちゃんは気付いてないだろうけど。

俺、本当にちゃんをいっぱい傷つけちゃったね。

本当にごめん、ごめんね。

ちゃんが目を覚ましてくれるなら俺はなんだってするよ。

本当になんでもするから早く目を開けてよ。



『なんでが死ななきゃいけねぇーんだよ!』



本当に俺は馬鹿だな。

愛しいお前に全てをぶつけた。

頭ではちゃんとわかっていたはずなのにな。

本当に馬鹿みたいだぜ。

今でも愛しいと思ってる。

愛しいんだ、お前のこと。

愛してる。

何でお前に全部ぶつけちまったんだろうな。

なぁはやく目を開けろよ。

俺の名前を呼んでくれよ。

壊れた人形のままでもいい。

歩けないなら俺が手を牽いてやる。

倒れそうになったら受け止めてやるから。

早く目を覚ませよ。

俺にはお前が必要なんだよ。

わかってんだろ、俺の気持ち。

早く目を覚ましやがれ。




 







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