* 女神のご加護 *










強き者たち。

全てを支えているのはあの人。




















「オチビも来たことだしいつものやるにゃ!」


「いつものって何っすか?」


「儀式のようなものだよ。」


「ふーん・・・で、何すれば?」


ー!」


「はいはーい!」



先輩を真ん中にして先輩たちが先輩を囲む。



「オチビも!」


「ウィース。」



菊丸先輩に指されたのは先輩の前。

正面に見える先輩の顔。



「じゃあ始めるよ?」


「ああ。」


「手塚国光。」


「はい。」


「大石秀一郎。」


「はい。」


「不二周助。」


「はい。」


「菊丸英二。」


「はい。」


「河村隆。」


「はい。」


「乾貞治。」


「はい。」


「桃城武。」


「はい。」


「海堂薫。」


「はい。」



次々に呼ばれていく先輩たちの名前。

いつもより緊張した面持ち。



「越前リョーマ。」


「はい。」



返事をするとにっこり笑った先輩の笑顔。

さっきの凛とした雰囲気とはどこか違う。



「今回はオチビがやるにゃ!」


「何をっすか?」


の名前を呼ぶんだよ。

が呼ぶのはレギュラーの名前、だからレギュラーがの名前を呼ぶんだ。」


「今回は特別だからにゃ!」


「ふーん。」



目の前の先輩の顔はわくわくしてる。

俺に名前を呼ばれることを待ってる。



。」


「はい。」



笑ってる先輩。

周りの先輩たちも笑ってる。



「女神のご加護終了♪」


「今回もよろしくね、勝利の女神様。」


「頑張ってね、みんな!」


先輩。」


「なぁに?」


「女神のご加護ってなんっすか?」


「あのね、私勝利の女神なの。

と言っても呼ばれてるだけで別に何もしてないわ。」


「ふーん・・・」


「今のはいわゆる精神統一。

始めたのは国光が部長になってからだけどね。」


「へぇ・・・」



確かに精神統一になったかもしれない。

先輩に名前を呼ばれることで。



「頑張ってね、ダブルス。」


「ウィース。」


「応援は任せなさいv」



にっこりあどけない笑顔で言う先輩。

やっぱりこの笑顔、好きだと思った。



「よろしくっす。」


「ダブルスは難しいわよー。」


「やったことあるんっすか?」


「うん、1年の時男女混同体育でね・・・」


「テニスで?」


「そう、しかも国光と。」


「・・・先輩って運動音痴だったよね?」


「うん。」


「どうやってダブルスしたんっすか?」


「ダブルスのコートで国光がひとり走り回ってただけ。」


「それってダブルスじゃないじゃん。」


「あは、やっぱり?」




 







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