* 両手に花 *
好きです。
あなたが大好きです。
「うーん・・・早く来すぎちゃったかな?」
待ち合わせは10時。
今は9時40分。
「そこの彼女ー♪」
「・・・誰ですか?」
「うわっめっちゃ可愛いじゃん!」
「だから誰ですか・・・?」
「さっきからずっといるよね?
彼氏にでも見放されたー?」
「違います。」
「待ってても来ないヤツなんかより俺と遊ぼうよー♪」
「来ないはずないです。」
「さっきからずっと待ってるのにぃー?」
「まだ待ち合わせの時間には時間があります。」
「さーん!」
「チョタv」
「こんにちは。」
「若v」
「この人は・・・?」
「知らない人だよ。」
「なんだと!?」
「だって知らない人じゃないですか。」
「ちょっと可愛いからって調子に乗りやがって!!」
「さんを悪く言わないでもらえます?」
「チョタ。」
「さんのことを悪く言う人は許しませんよ。」
「若。」
「チッ・・・覚えていやがれ!!」
「大丈夫ですか?」
「うん、全然大丈夫。」
「すみません、待たせてしまって・・・」
「早く着きすぎちゃっただけだから。
そんなことより、今日は誘ってくれてありがとうね。」
「いえ!来てくれて嬉しいです!!」
にっこり微笑むさん。
この笑顔が好き。
「じゃあ行こうv」
右手は俺の手を、左手を日吉に絡める。
「あっこれじゃ両手に花だねv」
俺たちが花?
花はむしろさんでしょう・・・
「ごめんね。」
「どうして謝るんですか・・・?」
「だって私が両手に花・・・」
「いいんですよ、さん。」
「でも、チョタ・・・」
「俺もそう思います。」
「若・・・
本当にいいの?私が両手に花・・・」
「俺たちじゃ花にはなれませんけどね。」
「花だよー。」
「え?」
「だってチョタと若と一緒に歩いてるとみんな振り向くもん。
だから、ふたりは立派な花です。」
振り向く理由は俺たちだけじゃない。
さんがいるから。
「さんが花だと思います。」
「え?」
「日吉もそう思うよな?」
「ああ。」
「私が花・・・?」
「そうです、さんが花です。」
「ありがとう、なんか嬉しいね。」
「美味しいーvv」
「良かったです。」
「ねっすごく美味しいね、若v」
「はい。」
この笑顔が見たかった。
「チョタ、ありがとうねv」
「いえ・・・///」
「本当に美味しいvv」
誘ってよかった・・・
この笑顔が見れるなら。
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