* 逢えて嬉しい *
あの瞳が好き。
全てを包み込む優しい瞳。
あの人に、さんに逢ったのは柳生先輩の家で勉強会をすることになった日。
その時から・・・
さんは俺とも仲良くしてくれる。
『えっと・・・です。よろしくお願いします・・・。』
初めて逢った時・・・
俺はあの人に一目惚れした。
『赤也。』
俺の名前を呼ぶ声が好き。
優しいあの声が好き。
「さんv」
「今日はご機嫌ね、赤也。」
「そりゃさんに逢えましたからね!」
「ごめんね、荷物持ちさせちゃって。」
「いいんっすよ!」
「ありがとう。」
備品を揃えに来たというさん。
だから俺は荷物持ち。
「青学の奴らひどいっすね、さんにこんな荷物持たせて。」
「みんなはひどくないわ。
私が断ったんだもん、みんな忙しい時期だから。」
「相変わらずっすね・・・。」
「え?」
「そんなさんが好きっすよ!」
「・・・?」
「あっ軽く聞き流してください!
それよりも、買うもんはこれだけですか?」
「あとは・・・野菜?」
「料理でもするんすか?」
さんの手料理か・・・
食べてみたいな・・・。
合宿の時とか青学の奴らは食ってるんだろうな・・・。
なんか、むかつく。
「ううん、これはたぶんペナル茶用だと思う・・・」
「なんなんすか、そのペナル茶って・・・」
「えっと・・・栄養剤?」
「確かに健康的っぽいですよね、野菜ジュースって。」
「うーん・・・でも味は殺人的らしいよ?」
「殺人?!」
「うん。」
「さんは飲んでないんすよね?」
「うん。」
「良かった・・・」
って言うかそんな怪しいもんさんに飲ませたら青学の奴ら許さねぇ・・・
ぶっ潰すっ!
「赤也?」
「あっすいません。」
「重くない?」
「大丈夫っすよ、鍛えてますから。」
「ありがとう。」
「これで終わりっすか?」
「うん、終わり。」
「青学まで運ぶの手伝いますね。」
「真田くんに怒られない?」
「大丈夫っす!
むしろさんにこんな重いもん持たせてたら俺が怒られます。
柳生先輩とか仁王先輩に。」
「比呂と雅治?」
「そうっす。」
あのふたりさんのこと溺愛してるし。
「じゃあお願いしちゃおうかな。」
「でも、門までにしときますね。」
「え?」
「俺、勝負挑んじゃいそうっすから。
さすがにそうすれば真田副部長に怒られるっす。」
「ありがとうね、赤也。」
「いーえ。」
「今度お礼するね。」
「じゃあ今度俺と遊びましょうね!」
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