* 帝王様と女神様 *
初めて見た。
こんな可笑しな女を。
『痛っ』
『あーん?』
『ちょっとあなた!』
『何だよ。』
『ぶつかりました、謝りなさい!
私も謝ります、だからあなたも謝りなさい!』
気の強い女。
『・・・。』
『謝らない限り・・・離しませんよ。』
『ククッ・・・』
『何がおかしいのです!?』
『・・・可笑しなヤツだな。』
『あなた、失礼です!』
『気に入った。』
『はぁ?』
『お前みたいな気の強い女は嫌いじゃない。』
『何を言っているのです?!』
『でも、ワザとらしいな。』
気の強い女に見えた。
でも、何かが違う。
ただの気の強いだけの女ではない。
『・・・ばれましたか。』
上目遣いに見上げてくる女。
媚びるような目ではない。
『本当に気に入ったぜ、名前は?』
『。』
『俺は跡部景吾。』
『氷帝ですよね?』
『知ってるのか?』
『私は青学ですから。』
『・・・そうか。』
『絶対にまた逢うと思います、氷帝テニス部の跡部景吾さん。』
『どういう意味だ?』
『そのままの意味です。』
それだけ言って女、は去って行った。
意味深な言葉を残して・・・
『こんにちは。』
『お前は・・・』
『ねっ?また逢えたでしょう?』
『ああ・・・。』
『私ね、あなたのこと気に入ったの。
だからね、景吾って呼んでもいい?』
『好きにしろ。』
『私のことも名前で呼んでくれると嬉しい。』
『。』
『なぁに?』
『呼んだだけだ。』
『何それ・・・。』
自分でも可笑しいと思った。
この目の前の女に翻弄されている。
『景吾って強いの?』
『強いぜ。』
『そう・・・。』
『お前は?』
『強くないです。』
『!!』
『英二?』
『何やってるにゃ?』
『お話v』
『英二、。』
『周助まで?』
『何してるの?』
『お話だよ。』
『・・・氷帝だね。』
『ああ。』
『うちのマネに手を出したら許さないよ?』
『マネ?』
『あれ?言わなかったっけ?
青学の男テニのマネージャーをやらせてもらってます。』
そう言い放ったこの女。
『ククッ・・・気に入ったぜ、。』
『ありがとう。』
その笑顔に魅了された。
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