欲しかった言葉は・・・
この人がくれる。
メール一通。
配信者は｢日吉若｣。
F 日吉若
Sub突然すみません。
逢えませんか？
内容は一行。
でも、いつもの彼ならこんなメールは送って来ない。
F
SubRe:突然すみません。
明日でもいい？
明日は練習早く終わるから・・・どうかな？
F 日吉若
SubRe:Re:突然すみません。
はい、明日はは調整で休みです。
F
SubRe:Re:Re:突然すみません。
じゃあ明日・・・青学に迎えに来てもらえる？
F 日吉若
SubRe:Re:Re:Re:突然すみません。
わかりました、授業が終わり次第行きます。
F
SubRe:Re:Re:Re:Re:突然すみません。
うん、着いたらメール頂戴ねｖ
F 日吉若
SubRe:Re:Re:Re:Re:Re:突然すみません。
はい、それではおやすみなさい。
F
SubRe:Re:Re:Re:Re:Re:Re:突然すみません。
おやすみｖ
｢先輩、今日って終わるの早いっすよね？｣
｢うん、そうだよ。｣
｢一緒に帰りませんか？｣
｢今日はごめんね、用事があるの。｣
｢・・・そうっすか・・・。｣
｢今度一緒に帰ろうねｖ｣
｢約束ですよ？｣
｢うん、もちろん。｣
｢ねぇねぇあれって氷帝の日吉じゃねー？！｣
｢本当だな。｣
｢誰か待ってんのかな？｣
｢あ、誰か来たみたいだよ。｣
｢あれって誰ー？！｣
｢さぁ・・・見たことないな。｣
｢しかもあの制服って氷帝じゃん！｣
｢若、おまたせ！｣
｢・・・さん。｣
｢えへへ、みんなに見つかると大変だから変装ですｖ｣
｢そういえば言ってましたね、氷帝の制服持ってるって・・・｣
｢うん、便利だよ、いろいろとｖ
これ着て、さっきと違う髪型にすれば・・・後姿ならほとんど誰も気づかないでしょ？｣
｢そうですね。｣
｢じゃあ行こうか？｣
｢はい。｣
｢何処行きたい？｣
｢さんにお任せします。｣
｢そうねぇ・・・じゃあ公園。
今ね、クレープ屋さんが来てるの、ダメ？｣
｢構いません。｣
｢若何にするー？今日は私の奢りｖ｣
｢そういうわけには・・・｣
｢いいの、あっ若にぴったりのクレープがあるよｖ｣
｢・・・下剋上ですか？｣
｢うん、若にぴったりでしょ？｣
｢はぁ・・・｣
｢じゃあ私は・・・｣
｢さんにぴったりのクレープもありますよ。｣
｢え？｣
｢女神、です。｣
｢・・・下剋上と女神ひとつずつお願いします。｣
｢若ｖ一口頂戴ｖ｣
｢・・・どうぞ。｣
｢ありがとう、あっ美味しい・・・ｖｖ
若もこっち食べる？ううん、食べてｖｖ｣
｢・・・わかりました。｣
｢どう？美味しい？｣
｢甘いですね。｣
｢でも美味しいでしょ？｣
｢はい。｣
｢じゃあ本題ｖ何かあった？｣
｢・・・。｣
｢欲しい言葉ある？｣
｢・・・。｣
｢欲しい言葉は私があげるって言ったでしょ？｣
｢・・・名前を呼んでください。｣
｢お名前？｣
｢・・・はい、いけませんか？｣
｢ううん、若ｖ｣
｢・・・。｣
｢若ｖ｣
｢・・・。｣
｢若。｣
一番優しい声で名前を呼ばれたかと思うと。
抱きしめられていた。
｢大丈夫よ。｣
耳元で聞こえる優しい声。
｢若は若らしくね？｣
｢・・・はい。｣
