* 儚い笑顔のあなた *
心の闇から救ってくれたのは・・・
あなただった。
『ごめんなさい、国光・・・。』
『・・・。』
『ごめんなさい・・・ッ』
『・・・。』
『ごめんなさい・・・。』
『俺は・・・お前にその言葉を言わせたいわけじゃない。』
『え・・・?』
『謝りの言葉を求めているわけじゃない。』
『・・・。』
『・・・。』
『・・・。』
『少なくとも俺は・・・お前の味方だ。』
『・・・国光。』
『頼ってくれて構わない。』
『ありがとう・・・。』
『その言葉が訊きたかった。』
『え?』
『謝りの言葉より、その言葉のほうが嬉しいと思う。』
『ありがとう、国光・・・』
光が見えた。
光の先にいるのは国光。
あなたが手を差し出してくれている。
私は手を伸ばしてもいいの?
『さん。』
『は、はい?』
『あたしは。』
『え?』
『でいいよ。』
『・・・?』
『あたしもって呼ぶからさ。』
『えっと・・・』
『あたしあんたのこと気に入ったから。』
『私のことを・・・?』
『そう、だから友達にならない?』
『・・・喜んで。』
『あんたと手塚のダブルス見て思ったんだ。
あんたは女神なんだって、全てのものを見守る女神・・・』
『な、何言ってるの・・・?』
『女神はあたしを救ってくれる?』
『え・・・?』
『嘘、忘れて。』
『う、うん・・・』
『あんたいい子だね、本当に。』
『・・・いい子はだと思う。』
『そんなこと言われたの初めてだよ。』
『絶対にはいい子だよ。』
『ありがと。』
「国光?」
「ああ、どうした?」
「国光とダブルス組んだ時の夢を見たの。」
「そうか・・・」
「あと、の夢も。」
「・・・。」
「リョーマが私とダブルス組んでくれたの。」
「越前が?」
「うん、国光みたいに、私を真ん中にいさせてくれてね。」
「相手は?」
「ゴールデンペア。」
「勝ったのか?」
「うん、リョーマがね。
でも・・・私がいたから勝てたって言ってくれた。」
「・・・。」
「すごく嬉しかった・・・。」
「そうか・・・。」
「一度国光とリョーマのダブルスが見てみたい。」
「機会があればな。」
「楽しみにしてる。」
「・・・。」
「国光。」
「・・・何だ?」
「ありがとう。」
「ああ。」
「本当に、ありがとう。」
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