* 氷の城に迷い込んだ姫君 *










「マネージャーやれよ。」


「・・・青学の情報は流せないわよ。」


「いらねぇーよそんなもん。」


「うん、やります。」


「・・・お前は笑ってるほうがいいな。」


「え?」


「お前みたいなヤツ好きだぜ。」


「・・・・・・っ///」



可愛いヤツ・・・。

俺の手で、守る。

そう決めた・・・。

柄でもないことはわかっている、それでも・・・



「居場所は俺の傍、文句ねぇーな?」


「ない。」


「上等だ。」



束縛するつもりはない。

それでも傍に置いておく。

一番安全な場所に。



「レギュラーたちに逢わせる。」


「・・・。」


「嫌か?」


「嫌じゃないけど・・・。」



震える小さな身体。



「怖いか?」


「・・・怖い。」


「それでもマネージャーはやるだろ?」


「やりたい。」


「・・・ここにはお前を傷つけるヤツなんていねぇーよ。」



少なくとも傷つけさせない。

ここにいる奴らは・・・を傷つけたりはしない。



「・・・逢わせて下さい。」


「ああ、ついて来いよ。」





















「コイツは今日からマネージャーになった、。」


です・・・。」


「役割は主に正レギュラーの世話だ。」



俺の後ろから出て来ようともしない。

人の前に出る恐怖。



、前に出ろ。」


「・・・・・・。」


。」



目の前の奴らが驚いた顔をしてる。

自分でも驚いた、自分の声色に。

を安心させるために出された声は優しいものだった。



「・・・はい。」



俺の後ろから出てきた瞬間。

あがるのは歓声。



「めっちゃかわええやん!」


「カワEー!」



正レギュラーを筆頭にあがるのはへの言葉。



「安心しろ、俺たちはお前の味方だ。」


「うん・・・!」



花の咲いたような笑顔。

形容するならばこの言葉があう。

目の前にいる奴らの顔が赤い。



「お前、って言うんだよな?!」


「は、はい。」


「俺は向日岳人!岳人でいいぜー♪」


「あっ岳人抜け駆けはずるいで!

俺は忍足侑士、侑士って呼んでなー♪って呼んでええか?」



突然のことで頷くことしかできていない。



「忍足、がびびってる。」


「すまん!つい調子に乗ってしもた。怖がらせてごめんな?」


「・・・大丈夫です。」



この笑顔を俺だけのものにはできないのは不服だが・・・。

ここには誰も傷つける奴はいないとわかって欲しかった。




 







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