* 氷の城に迷い込んだ姫君 *
「耐えれなかったの、みんなの言葉に・・・。」
『ごめん、国光。』
『どうした?』
『私、もうここにはいられない。』
『・・・どういうことだ?』
『私がいなくなればもっとこの部はいい雰囲気になる。』
『・・・。』
『だからね、やめる。』
『やめるな。』
『やめるの。』
『やめるな。』
『ごめん、本当にごめんね・・・。』
国光が引き止めてくれる。
嬉しかった。
でも・・・ここにはいられない。
『行ってね、全国。』
一番初めに国光と交わした約束。
『一緒に全国へ。』
でも、もう果たせない。
『私ね、氷帝に編入するの。』
『氷帝・・・?』
『うん、敵になっちゃうね。』
『・・・。』
『バイバイ、国光。最後にひとつ私がやること・・・怒らないでね?』
『何をする気だ・・・?』
『秘密、後から訊けばいいわ。』
さんから。
『部室、貸してね。』
『ふーん・・・辞めるんだ。』
『うん、やめる。編入するの、氷帝に。』
『じゃあ私が今までさんがやってきたことしなきゃいけないの?』
『そうなるね、でも大丈夫。みんな手伝ってくれるよ。』
『当たり前じゃん。』
『え・・・?』
『みんな私に雑用なんてやらせるわけないじゃん。』
パシーーンッ
『何するのよ!』
『・・・ごめんね。』
許せなかった、さんの言葉に。
マネージャーの仕事はマネージメント。
選手を支えるためにある。
バンッッ
部室のドアを勢いよく開いて走り出ていくさん。
目には涙。
『?!どうしたにゃ?!』
『先輩?!』
『・・・・・・・・・?』
『先輩に泣かされたんっすか?!』
『、どういうつもりにゃ?!』
『先輩、顔が腫れてます、冷やしに行きましょう。』
『え?大丈夫?!』
『先輩、最低っすよ!』
終わった。
これで私はここから離れることができる。
信じてくれた周助と国光も裏切ったかもしれない。
もう、信じてくれないかもしれない。
本当は私も・・・みんなと全国に行きたかったよ。
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