* 氷の城に迷い込んだ姫君 *
「・・・私って最低でしょ。」
「どこがだ?」
「だって女の子の顔を叩いたのよ。」
「でもそれってその女が悪いんじゃん。」
「そやで、俺だってなぐっとるわ。」
「あなたは悪くないと思います。」
「どうしてそんなこと言えるのよ・・・。」
「お前は悪くねぇーよ。」
「わかんなかった奴らが悪いんだって!」
「あいつらを思ってしたことだろ?」
「・・・許せなかったんだもん。
私なんかよりよほど必要とされてるのに・・・期待に応えようとしないあの子が・・・。」
「それが本心か?」
「うん、初めてこんなこと思ったの。」
「やっぱいいわ、。」
「え?」
「人間らしくて好きやで。」
「・・・好き?」
「おう、好きやで!」
「本当に?」
「本当や!」
「・・・・・・ありがとう。」
「俺も好き好き!」
「えぇ?」
「我慢してるよりいいって!」
「嫌いにならないの・・・?」
「なるわけないじゃん!」
「言っただろ、ここにいる奴らはお前を傷つけない。」
「ふふ、もしかしたら全部私がいいように解釈したお話かもしれないよ?」
「お前が嘘ついてないことくらい目を見ればわかるぜ。」
「・・・・・・。」
バツの悪そうな顔。
でも笑顔がそこにはある。
「私はここにいてもいいですか?」
「当たり前だろ。」
「もちろんやでー♪」
「大歓迎だぜ!」
「ああ。」
「いて欲しいな。」
「いて欲Cー!!」
「・・・ウス。」
「いてくださいよ!」
「よろしくお願いします。」
「・・・ありがとう。、マネージャーとして精一杯頑張ります。」
きっと青学の奴らは後悔するだろう。
を失ったことに。
でも、俺たちには関係ない。
と一緒に全国へ行く。
「おい。」
「なぁに?」
「全国に連れて行ってやるよ。」
「・・・一緒に?」
「ああ、一緒に行こうぜ、全国。」
「うん、連れて行ってね・・・一緒に全国に。」
元は青学のマネージャー。
でも今は氷帝のマネージャー。
だから連れて行ってやるよ、全国へ。
「みんなで行こうね、全国!」
声が明るくなった。
澄んだソプラノ。
心地よい、明るい声。
「・・・返事は?」
「クク、当たり前だ。」
「一緒にいこなー!」
「行ってやろうぜ、全国!」
「当たり前だろ。」
「絶対行くCー!」
「頑張ろうね、。」
「・・・ウス。」
「行きましょうね、先輩!」
「頑張りましょう。」
明るくなった。
沈んでいる顔よりも、笑顔がいい。
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