* 氷の城に迷い込んだ姫君 *










「こらー!」


「怒んなって!」


「侑士が悪いんでしょー!」


「こら!殴んなって!」


「何をやってる?」


「あっ景吾!ちょうどいいところに来たー侑士が!」


「ちょ、跡部に言うな!」


「侑士が私が着替えてるのに入ってきたの!」


「なんだと・・・?」


「知らんかってん!」


「嘘つきー!」



明るくなった。

初めて逢った時の冷たさはない。

本当に明るい。



「明るくなったな・・・。」


「え?」


「そのほうがいいぜ。」


「あのね景吾、これが本当の私なの。」


「・・・。」


「ここは本当に素敵な人達ばかりね。本当の私を認めてくれる。」


「当たり前だろ。」


「さっ今日も練習頑張ろうね♪」


「その前に・・・忍足!」


「な、なんや?」


「本当に着替え覗こうとしたのかよ・・・。」


「するわけないやんー。」


「嘘は良くないですよ、忍足先輩。」


「げっ鳳・・・。」


「長太郎!」


先輩が着替えてるって俺、言いましたよね?」


「・・・そうやったかな?」


「侑士ー!!」


「悪い!悪かった!」


「・・・謝ってくれるなら許す。」


ー!」





抱きっ





「もう着替えも終わってたしね。」


「もうしいひんから許してなー。」


「うん、許してあげる。」


「練習始めるぞ!」


「頑張ってね、みんな。」


「俺、頑張ります先輩!」


「うん、頑張ってねー長太郎。」


「俺の応援も頼むで!」


「頑張ってね、侑士。」


「おい。」


「なぁに?」


「・・・。」


「あっ景吾も頑張ってね。」


「・・・ああ。」



その言葉が欲しかった、なんて言えねぇーけど。

欲しい言葉をくれる存在だと気づいた。



「あのね、今日のドリンクは・・・私が考えたものなの。

その・・・青学で考えて、みんな美味しいって言ってくれたものなんだけど・・・いいかな?」


「ああいいぜ。」


「良かったぁー。嫌って言われたらどうしようかと思っちゃった。」


が作ってくれたドリンクを嫌やなんて言うわけないやんー!」


「そうですよ、先輩。」


「えへへ、ありがとう。」



最近のは笑顔が絶えない。

忍足とかが笑わせているというのもあるが・・・

本当に笑っている。



「笑ってろよ。」


「うん?」



この幸せな時が長く続けばいいと思っていた。




 







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