* 幸せ願う騎士達 *










が転校してから部の雰囲気が変わった。



「どう思う、手塚?」


「・・・。」


が転入してから・・・。」


「仕方ないだろう。話はそれだけか?」


「・・・機嫌悪そうだね。」



が転校して行って手塚の機嫌は悪い。

理由はわかる。

止められなかった自分に対する苛立ち、それは僕も同じだ。



「でも、ここにいればはもっとダメになるところだった。

だから僕は転校してよかったと思ってるよ。ここにいるよりは氷帝のほうがいいかもしれない。」


「・・・。」


「今度、みんなには内緒で様子見に行こうか。手塚も行きたいでしょ?」


「・・・。」


「沈黙は肯定とみなすよ。」



本当にのことを心配している。

それは僕も同じ。



「笑ってるといいね、。昔みたいな笑顔で・・・。」



僕と手塚はと付き合いがみんなより長い。

1年の時は同じクラスだった。

がマネージャーになったのは2年の時。

僕と手塚が勧めた。運動神経はないに等しいけど頑張ってる姿が好きだった。

でも・・・笑顔が少し消えた。



「そうだな。」



1年の時の笑顔と違う。

あの時の笑顔は本当の笑顔だった。




















『周助ー国光ー早く早く!』


、そんなに急がなくても大丈夫だよ。』


『でも・・・!』


『大丈夫であろう。』


『それに走ると転ぶよ。』


『え?!わきゃ・・っっ!』



『『!』』



『転んだー。』


『見ればわかる。』


『全く・・・もうちょっと注意してよね。』


『ごめんなさいー。』


『はやく立て。』


『ありがと、国光。』



いつものことのように手塚が手を貸す。

僕がの服を払う。



『汚れなくて良かったね。』


『うん、周助もありがとう。』



いつも一緒にいた。

3人で。

だからの本当の笑顔を知っているのも僕たちだけ。



『ふたりとも大好き。』



いつも僕たちのことを好きだと言った。

その時の笑顔は本当に輝いていた。

その笑顔が好きだった。




















でも、あの時以来・・・その笑顔も見ていない。

だから僕はさんが嫌い。

から笑顔を奪ったのは・・・彼女だから。

許さない。



「不二。」


「わかってるよ。」



ここで僕たちがさんに何か言ってもは喜ばない。

むしろ悲しむ。



「でも僕は・・・許せない。」


「ああ、そうだな。」


「許さない・・・。」



それでも彼女の前では笑顔でいる、感情はないけど。

彼女はきっと騙されている。

僕も彼女のことが好きだと勘違いしているだろう。

酷い男と思われてもいい。

が幸せなら・・・。




 







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