* 王子の興味の行方 *










「・・・菊丸くんに桃城くん・・・。」


「最悪だにゃ・・・。」


「逢いたくない人に逢っちまいましたねー。」


「先輩、この人誰?」


「オチビは別に知らなくていいと思うよー。」


「そうだ、知っても得しないって。」



目の前の人が気になった。

氷帝の制服。

一緒にいるのも氷帝の人達。



「でも、またマネージャーやってるんだ?」


「また働いてないんっすかー?」


「氷帝も可哀想だにゃー。」


「ホント、同情しますよ。」



しかも震えてる。

顔が青くなってる。

菊丸先輩と桃先輩の言葉もひどい。



、行くぞ。」


「・・・・・・。」


。」



名前は

それだけはわかった。



。」


「・・・ごめん、景吾。」


「大丈夫か?」


「・・・・・・・うん。」


「行くぞ。」


「ごめんね。」


「気にするな。」


「ありがと。」



弱々しい声。

隣にいる人に縋るようにして俺の隣を通り過ぎて行く。



「今日は最悪な日だにゃー。」


「本当に、早く先輩に逢いたいっすねー。」



他の名前が出た。

マネージャーの先輩。



「早く帰ろうぜ。」


「そーっすね。」


「オチビー!」



気になった。

俺の隣を通り過ぎて行った人が。

でも・・・この先輩たちには訊けない。

ふたりともあの人のことをよく思っていない。



「今行くっす。」



話を訊くなら・・・他の人が良い。

どちらかといえばあの人のことを好きな人に話を訊きたい。

俺はあの人に悪いイメージを持てなかったから。





















「・・・大丈夫か?」


「もう・・・景吾は心配性なんだから・・・っ」


「無理はしんときや、。」


「うん、ありがとね。」


、気にしないほうがいいよー。」


「ありがと、ジロー。」


「笑ってミソ?」


「岳人ってば・・・もう・・・っ」


「・・・気にするな。」


「ありがとう、亮。」


「俺たちは傍にいるからね。」


「うん・・・そうだね、萩之介。」


先輩!俺絶対に先輩と一緒にいますから!」


「長太郎・・・。」


「大丈夫ですよ、先輩。」


「若も・・・うん、みんな本当にありがとう・・・っっ」



笑顔が戻った。

俺たちの大切な存在に。

それでも簡単に傷は癒えない。

許さない。

青学も・・・何もかも。

を傷つけようとする奴らは・・・誰であれ許さない。

俺たちの誓い。

必ず守る。




 







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