* 王子の興味の行方 *
『です、よろしく!』
彼女がマネージャーになった。
『はい!みんなドリンクだよー!』
笑顔が綺麗だとみんな言っていた。
も。
でも、僕はそうは思わない。
『やっぱりって良いにゃ!』
『先輩とは大違いっすよねー!』
『運動神経もいいし!』
『働き者だし!』
『ドリンクも美味しいしにゃ!』
『先輩のドリンクは普通のスポーツドリンクでしたからねー。』
『俺たちのこと考えてくれてるよなーは。』
『そうっすね♪』
桃と英二のこんな会話をよく訊くようになった。
ふたりはのことが好きじゃない。
みんなそうだ。
見ているのは外面的なところばかり、内面的なものを見ていない。
外のさん。
内の。
『俺さー別にがいなくてもいいと思うにゃ。』
『そうっすよねー先輩がマネになってから全然役に立ってないし。』
『なんで手塚もやめさせないんだろうにゃー。』
『責任じゃないっすか?先輩をマネにしたの手塚部長ですし。』
『なんか手塚も気の毒にゃー。』
本当のことを誰も知らない。
僕と手塚以外は誰も。
知らないから・・・みんなも桃や英二のように思っている。
「でも、何で言わなかったんっすか?先輩が全部やってるってこと。」
「口止めされちゃってね。」
「はぁ?」
口止めっておかしくないですか?
「はね、あまり前に出るのが好きじゃないんだよ。」
「目立ちたくないとよく言っていたな。」
「結構目立ってたけどね、僕たちといることとかの外見とかでね。」
「確かに、あの写真だけですけど可愛かったっすね。」
「手塚写真ある?と写ってるの。」
「・・・が渡してきたものならあるが。」
「あっ見たいっす!」
「1年のときの物でいいか?」
「先輩が写ってるの全部見たい。」
本心。
色んなあの人の顔が見てみたかった。
好奇心?
あの人が気になる。
「わかった。」
「これは1年の時のものだよ。」
綺麗に整頓されているアルバム。
部長らしい。
写真の中のあの人はいつも笑っていて・・・
いつも不二先輩と部長と一緒にいた。
笑顔が可愛かった。
「俺が逢った人となんか違う感じですね。」
「うん・・・そうだね。」
「もう遅いな。」
「じゃあそろそろ帰ろうか。」
「うぃーす。」
笑わせてあげたい。
あの笑顔が見たい。
俺が可愛いと思ったあの笑顔が見たい。
「俺、先輩のこと気に入りましたから。」
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