* 二度目の逢瀬 *










「えっとあとは・・・テニスボールの注文ね。」



「いらっしゃいませー。」



「テニスボールを200個注文したいのですが。」



「はい、こちらへどうぞ。」



「在庫であります?」



「それがちょっと前にきれてしまったんですよ。」



「そうですか・・・じゃあ届けていただけますか?」



「はい、それではこちらに必要事項をお書きくださいますか?」



「はい。」



「氷帝テニス部?」



「そうです。」



「去年は全国ベスト16位だったね。」



「はい。」



「今年も頑張ってね。」



「ありがとうございます、みんなにも伝えておきますね。」



「ありがとうございましたー。」




















ドンッ





「ごめんなさい、大丈夫?」


「アンタは?」



どこかで見たことがある気がした。

目の前のこの人、どこかで見たことがある。



「・・・だ、大丈夫・・・・。」



しかも俺に怯えてる。

この顔どこかで・・・あっ!



先輩?」


「ど、どうして・・・私のこと知ってるの?」



俺が怯えさせている。



「手塚部長と不二先輩から聞いた。」


「・・・国光と周助・・・?」


「ちょっと話しようよ、今暇?」


「あの・・・ここは・・・。」



この人の言いたいことはわかった。

ここは青学の生徒がよく通る。



「氷帝の近くでもいいから。」


「・・・。」


「行こ。」



俺に手を引かれるままに歩いていく。

拒絶する様子はない。

もう怯えている様子もない。



「あっ荷物持つ。」


「だ、大丈夫です。」


「いーから貸して。」


「・・・はい。」



しぶしぶながら荷物を渡してくれる。

見ため以上に重くはなかった。



「・・・ありがとう。」



目の前の先輩はあの写真のような笑顔で笑った。



「やっぱり可愛いじゃん。」



部長の家で見た写真よりも・・・

本当に可愛い笑顔だと想った。



「アンタ笑ってたほうがいいよ。」


「・・・知ってるんだね、君は私のこと。」


「・・・。」


「お話って何かな?」


「別にたいしたことじゃないっすよ。」


「・・・どこで訊けばいい?」


「氷帝でもいいっすよ。」



氷帝がアンタを守る城であるならば、話はそこででも構わない。

俺はアンタを傷つけないから。




 







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