* 二度目の逢瀬 *
「じゃあ氷帝の前の喫茶店にしよ?」
「うぃーっす。」
「ここね、パフェが美味しいんだよ、私は苺パフェ。」
「・・・。」
「あっ私の奢りだから好きなの頼んでいいよ。」
「じゃあフルーツパフェ。」
「畏まりました。」
「ねぇ、まずあなたの名前訊いてもいい?」
「越前リョーマっす。」
「越前くんね。」
「リョーマ。」
「え?」
「名前で呼んでよ。」
「・・・わかった。」
「苺パフェとフルーツパフェでございます。」
「ありがとう。」
「ご注文の品は以上ですね?」
「ええ。」
「ごゆっくりどうぞ。」
「さてと、じゃあリョーマのお話聞こうか?」
「髪型、変わったんっすね。」
「うん、変わりたかったから。でもよくわかったね。」
「わかるっすよ。」
気になる人だから。
「ど、どうしよう・・・。」
また怯えてる。
「大丈夫っすよ、近づかないとわからないよ。」
「本当?」
「本当。」
「よかったぁ・・・。」
「でも、その髪型似合ってるっす。」
笑顔が映える気がする。
この人は本当にふんわりとした笑顔で笑うから。
「ありがとう。」
「手塚部長とか知ってるんですか?」
「この髪型のこと?」
「そうっす。」
「知らないと思うよ、連絡とってないし。」
「何で?」
「私はあの人達を裏切ったから・・・。」
裏切った?
あの人達はそんな風には言ってなかった。
むしろ今も・・・先輩のことを想っている。
「部長と不二先輩は先輩のこと想ってると思いますよ。」
「ねぇ・・・ちょっと気になったんだけど・・・どうして”先輩”なの?」
「え?」
「だって私青学の生徒じゃなし・・・リョーマに先輩って呼ばれるのって変な感じ。」
「じゃあさん。」
「うん、そっちのほうがいいな。」
「で、話戻すけど・・・先輩たちはさんからの連絡待ってると思いますけど?」
「待ってないよ・・・。」
「絶対待ってる。」
「だって国光怒ってそうだし。私、部の規律を乱しちゃったから。」
「・・・。」
怒ってなんかいない。
むしろ心配してる。
「じゃあ俺が伝えてもいい?」
「・・・私にあなたの言動を止める資格はないわ。」
つまりOKってこと?
「でも、国光と周助だけにして、それだけはお願い。」
「了解っす。」
「ありがとうね、リョーマ。」
一番の笑顔でさんは笑った。
俺はきっとこの人が好きだと想う。
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